「めーちゃん! おはよぉぉぉ!」
教室に入ってくるなり、馬鹿でかい声を出して私に挨拶する。いつも一番早く教室にいるのは私で今も教室に私しかいないけど、でもやっぱり私だけに挨拶するのはやめてほしい。
「やめなさいよ暑苦しい」
「えー……ちぇ」
これは、私がまだお酒を飲める歳になる前の話。
◆咲音メイコ◆
「宿題見せて~」
「あんたそれだけのために早く来たの?」
「うん! だってめーちゃんのうつさせてもらったら、一問も間違えないんだもん」
「少しくらい自分でやってよ、私が損するわ」
「ガリ○リ君1本でどう?」
「2本」
「……うん、じゃあいいよ」
「さっさとうつしなさい」
「ありがと、めーちゃん」
めーちゃんって呼ぶの、やめてほしい。
私はクラスでのけ者にされている。そんな中、宿題の答えが合っているからというだけの理由でのこのこ近づいてくる始音君はただのバカだ。
たぶん陰で始音君も私の事をごちゃごちゃ言ってるんだろう。
友達をつくるというか、人と仲良くするのってめんどうだなあと思っていたら、いつの間にかクラスにグループができて嫌われ者がでてきて、その嫌われ者が私だった、みたいな。
私と仲良くすることでこいつが嫌われるなんて心配はしてないけれど、そうなったら私の責任みたいでちょっと困る。
「放課後コンビニの前で待ち合わせね」
「やっぱりガリ○リ君よりクー○ッシュがいい」
「1つね」
「あんたの財布で何個も買えるなんて思ってないわ」
「するどい」
「おっはよー! カイト、今日遊ばない?」
教室に入ってきた子が、私には目もくれず始音君に話しかける。
この子はたぶん始音君に気がある。
「めーちゃんにアイスおごるからちょっと……」
「私にもおごってよぉ! 咲音さんだけズルい!」
何がどうズルいのか分からない。
「だってカイコちゃん、宿題の答え全然合ってないからうつせな(ry」
「カイト~! なんで~? んじゃ私もカイトに何かするから、アイスおごってよ~!」
「何かって何?」
「なんでもいい。リクエストは何かある?」
「ちょっと今宿題うつしてるからあとでね」
「じゃあカイト、私も後でうつさせて」
「おkおk」
私のをうつすのではなくて、私のをうつしたカイトのうつす。この経由が、なんとなく腹立たしい。
「それでさ、明後日夏祭りあるでしょ?」
「あるね」
「一緒に……」
「めーちゃん、一緒に行かない?」
いきなり私に話を振られて、びっくりした。
「あ……えと、ごめん、聞いてなかった」
誤魔化してみたけど、本当ははっきり聞いていた。
始音君と夏祭りか……。
放課後、町に一つしかないコンビニの前に行くと、始音君が待っていた。
「バニラでいい?」
「他になにかあった?」
「ストロベリーとか?」
「バニラでいいわ」
「おk。買ってくる」
ものの数十秒で戻ってきた始音君。自分用にちゃっかりソフトクリームなんか買っている。
「最後の1個」
「ありがと」
ずずずずずずっと吸うと、三十秒もしないうちに無くなった。
「めーちゃん肺活量すごいね」
店先にあったゴミ箱に放り込む。
「ふつうよ」
「歌手にでもなったら?」
「肺活量すごいだけでなれるわけないじゃない」
「夏祭り、一緒にまわろ?」
今度は面と向かってはっきり言われた。誤魔化しようがない。
「なんで?」
「めーちゃんと行きたいから」
「カイコさんと行けばいいんじゃない?」
「それこそなんで?」
「誘われてたじゃない」
「やっぱりめーちゃん、聞こえてたんだ」
「…………」
「行かない?」
返答に困る。
まあ私は別段他の人と行く予定もないし、そもそも夏祭りなんて親と数年前にしか行っていない。
「じゃあ行く」
久しぶりに夏祭りに行ってみるのもいいかもしれない。
ただ一緒に行くのが始音君なだけだ。
「やった! それじゃ、明後日ここで六時に待ち合わせね!」
「あ、うん」
異様にはしゃぐ始音君を横目に、残りの所持金でガリ○リ君を買った。
夏祭りの日。
昨日が土曜日だったので、誰とも会わずにすんだ。
六時、コンビニに行くと始音君がすでに来ていた。
「めーちゃん!」
「遅れてごめん」
「僕五時半からいたから」
「…………」
「んじゃ、行こ」
五時半からいたのか。謝ったらいいのかどうか分からない。
「その前にアイスおごりなさい」
「え……じゃあ次宿題見せてもらう時おごらないよ」
「結構よ」
「ガリ○リ君? クー○ッシュ?」
「ぎゅぎ○っと」
「おk」
買ってきてくれたのを、半分にして始音君に渡した。
「ありがと。……でもめーちゃん、」
「何よ」
「かき氷あるんだよ?」
「……あ、そう」
「どうする?」
「おごりなさい」
「おk」
ていうか離れて歩きなさいよバカイトめが。
「めーちゃん、浴衣似合ってるよ」
そうか、あいつが離れてくれないんならこっちから離れればいいんだ。
赤く火照った頬を隠すため、足早にどこかに歩いた。
なのに。。。
「だから離れて歩いて!!」
「なんで~? はぐれるよ」
なんか手を繋がれた。
「離しなさい」
「嫌~」
彼の性格からして離してはもらえないだろう。私はあきらめてそのままにした。
「この後打ち上げ花火やるんだよ」
「あ、そう」
「見る?」
「始音君は?」
「見たい」
「打ち上げなんだから、見上げれば見れるんじゃないの?」
「そうだけど……周りの人たちが邪魔で見えないから、移動しよう」
「別にいいけど」
始音君は私の手を引いて、人込みをかきわけて早歩きでどこかへ急ぐ。
祭りのやっている通りからはずれて、ある公園の小高い丘のてっぺん。
「ここ?」
「ここ。結構ここから見えるんだ」
芝生の上に腰を下ろした途端、どーんと音がした。
始音君の顔が明るくなる。
「始まった!」
その声を合図にしたかのように、次々と色とりどりの花火が上がる。
「金かかってそうね」
「だね」
「こんな豪華な花火を打ち上げる金があるのなら、学校に寄付して欲しいわ。それでエアコンを各教室につけるの」
「アイス毎日はどう?」
「屋内プールにして」
「席替えはめーちゃんと僕がずっと隣」
「嫌」
即答したからだろうか、始音君がとても悲しそうな顔をした。彼がそういう顔をすると、ギャグ漫画の一コマみたいだ。
「嘘よ、冗談」
「ひどいめーちゃん!」
「ごめんね(笑)」
「ひどいー!」
彼の苦笑交じりの声。
彼の笑った顔は、今まで出会ってきた人の中で一番素敵だと思った。
【カイメイ注意】MEIKOさんがKAITO君を恋愛感情として好きになるまで1
またシリーズはじめようと思います。。。
めーちゃん可愛いよ!!!!
カイメイがかなり好きです。
土曜日ららぽに行きました。船橋店。フィギュア屋みたいなところ。
DIVAのストラップを店員のおじさんが800→450にしてくれました!
嬉しい!
■7/28 注目の作品ありがとうございます!
コメント2
関連動画0
ご意見・ご感想
シベリア
ご意見・ご感想
おおアツイ!!カイメイいいね大好きだよ!!
この小説のカイトめっちゃ優しい気がする!
年長組のカイメイもいいけど、チミーの書くこの小説のカイメイのほうがいい!!
カイトーうちには雪見だ○ふく買ってきてー(((
クラスのグループかぁ…分かる。うちのクラスなんか運動系の部の子と文化系の子たちでもう分かれてるwwうちのグループはみんな2次元ラブだよww
意外とクラスの人みんなボカロ知ってる…ボカロはわたさないからなああ((((何なのお前
ららぽwwうちもそのお店行ったことあるwwでもフィギュアが売ってるところはないかも…
DIVAのストラップって、パッケージにカイトとめーちゃんが描いてある奴?
もしそれなら6日CD買いに行ったとき4つ買ったwなんと!めーちゃんとカイトがでた!
リンとレンのストラップがほしい…wwwあ、金ないんだった^p^
余談のほうが多くてごめんなさい。ブクマもらうね!
2011/07/12 16:51:29
絢那@受験ですのであんまいない
アツいのも書いてみたかったのさ!
いやいや、ノーマル年長組の方と比べるなんて向こうに失礼ですwww
あっ、じゃあ私は爽お願いしますー!
うちのグループは三次元と二次元がごっちゃになってるwww
私だって誰にも渡さねえええ(((バカです
そうそう、そのストラップ!
6日にCD買いに行ったのか?。Vocalonationかな??
それを買いに行ったついでにフィギュア屋(仮)に寄ったらあったんだよー!
4つも買ったの? すごい!
インタネのストラップも出てほしいなあ。。。
ブクマありがと! 余談もありがと!
2011/07/12 21:42:27
瓶底眼鏡
ご意見・ご感想
お邪魔です!
カイメイはいいですよね、わかります←
でも従来のカイメイより幼な目な感じがちゃんと出てていいですね!!
そしてダッツを喰い漁らないカイトがちょっと新鮮←
続き楽しみにしてます!!
2011/07/12 01:10:42
絢那@受験ですのであんまいない
どうもです!
分かってくれますか!あの二人は見てて可愛いですwww
幼いめーちゃんの胸はどうなっているのかが気になr((ならんわ
ダッツを食い漁れるほどお小遣いはもらっていないと推測←
期待には応えられませんががんばります!
2011/07/12 06:26:37