【捨てる神様になりたい】

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捨てる神あれば 拾う神ありと
昔の人は大威張りで僕にそう伝えた
棄てられた心が たとえ拾われたとして
一度泥に塗(まみ)れた事実は変わらないんだよ

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夕焼けが落ちた 深い藍の色が
信じないと誓ったはずの
神を彷彿とさせる

a
悲しくもないのに やけに脳が悩む
誰かに背中向けていたくて
高飛車な唄謳う

b
狭い部屋に籠って グラスを握って
口に含むのはただの水
僕の自問自答が 勝手に言葉になる
響く声と声は天使と悪魔の口論

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周りの大人は 口を揃えてた
「優しい人になりなさい」と教科書のように
捨てる神になりたい 棄てる神でありたい
嫌いな物を選(よ)って棄てるそんな神になりたい

b
狭い部屋に籠って 黙り込んだ刹那に
笑い出すのは僕の悪い癖
正解になりたかった 間違いが嫌いだった
だけど、今更もう天使にはなれなかった

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穢れた何かと 傷のない何かを
比べるにはあまりにも残酷で無様だから
捨てられたものじゃない ただ綺麗なものだけ
初めから救い給えるそんな神になりたい

c
わかってた初めから
頷くことしか出来なかった
地を這って掬われるのを待つ日々
付け込まれるだけの優しさは
臆病さと紙一重だった

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まだ強くなりたい もっと強くなりたい
諂うことで永らえる自分なんて見たくない
拾う神でありたい 本当はそうありたい…
でも塵(ごみ)を愛でるなんて馬鹿馬鹿しいだろ？

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捨てる神あれば 拾う神ありと
昔の人は傲慢さを威厳の裏に隠した
棄てられた心が たとえ拾われたとして
一度泥に塗(まみ)れた事実は変わらないんだよ

一度無碍にされた僕なんて変われないんだよ