辛い時、悲しい時、
私は決まった夢を見る。
宇宙を旅する夢だ。
広大な宇宙の周りには、
大小様々な星たちが浮かんでいる。
恐ろしい熊も、煩い鴉(カラス)もいない、
そこは、私が望んだ私だけの世界。
静寂ではあるが、
暖かく、心地よい空間。
赤色に輝く星の集合体(星団)の中に、
小さく光る青色の星を発見。
あれは、水星だろうか?
近づいてよく見てみると、
水星ではないと直ぐに気づいた。
あれはきっと、海王星だ。
青色の光の中で、地球から一番よく見える星。
海王星とは言っても、
青く発光しているそれは、
海ではなくメタンで出来たガスだ。
メタンは、赤を吸収する性質を持つ。
この前読んだ天体図鑑に、そう記されていた。
私の旅は、まだまだ続く。
次に見つけたのは、赤色の光を放つ星、
ペテルギウスだ。
ペテルギウスと言えば、
オリオン座の一つとして知られている。
ペテルギウスの下側にはリゲル、
そして、ペテルギウスを近くにあるシリウスやプロキオンと結べば、冬の大三角ができる。
ああ、素敵だ。
世界中にある、どんな宝石よりも美しい。
ずっとこのまま旅をしていたい。
こうして、色彩豊かな星たちを見ていたい。
でも、どんなに願っても叶わないよね。
そして、私にも等しく朝が来る。

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旅人書房と名無しの本(プラネタリウム)

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投稿日:2023/09/15 22:57:12

文字数:539文字

カテゴリ:小説

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