「△○%#$■?」
後ろからリンの声が聞こえる。
ミカンをほおばりながらしゃべるものだから良く聞こえなかった。
「なに?よく聞こえなかったんだけど?」
自分に向けられた言葉でなくても一応聞いておく。
それにしてもよくもまぁダンボール一箱ものミカンを食ってられるなぁ・・・
「・・・レンも一緒にミカン食べない?」
ようやく聞き取れた。
レンは一つ返事をしてリンからミカンを受け取る。
今はバナナよりもミカン、なぜかそう思ったからだ。
皮をむいて、そのなかから一つつまんで口に入れる。
すると、レンはバナナよりも強いミカンの酸味に顔をゆがめる。
「あれ?おいしくなかった?」
悲しそうな声でリンが言う。ミカンがおいしくないわけがない。
「大丈夫。すごいおいしい。」
「よかった!」
心の底からうれしそうにリンが言う。その顔を見ていると自然に酸味は引いていった。
いつもリンのそばにいるレンでもさすがに相方の好物まではカバーしていない。
VOCALOIDはもともと歌うためにつくられたものだが、それでも人間に似せて作られている部分もある。
今レンが酸味に顔をゆがめたのは味覚プログラムがミカンの酸味をカバーできなかったからだ。
カバーというのは人間で言う慣れ。おそらくリンにはミカンの酸味などあって無きが如しだろう。
「ミカン、そんなにおいしいか?」
メモリーによれば、リンはかれこれ三十分以上ミカンを食べ続けている。VOCALOIDの辞書に「体調を崩す」という言葉は載ってないが、さすがに心配になってくる。まぁ答えはわかってるけど・・・
「うん!だって好きだもん!」
「あっそ。」
本当に予想道理の言葉を返されてフクザツな気分になるレン。こうなるとほうっておくしか道はない。
レンは手に持っているミカンをもう一つ口に入れた。・・・うん、やっぱりうまい。

「でもミカンよりずっとレンもほうがだ~いすきだよ♪」

「――――っ!げほげほっ!!」
口の中で転がしていたミカンのせいで思いっきりむせてしまった。
油断していた分そのダメージは大きい。
「あれ?大丈夫?」
無神経な声が、朦朧とするレンの頭に響く。
                                           続く。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ORANGE

はじめまして!
しょうかいされてきてみました。
はじめてなのであまり勝手が理解できていません。
こんなんできにいってもらえればさいわいです。
本当に初心者なんで仲良くしてください^^

閲覧数:114

投稿日:2011/06/28 23:41:56

文字数:947文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • 日枝学

    日枝学

    ご意見・ご感想

    読みましたよー
    >今レンが酸味に顔をゆがめたのは味覚プログラムがミカンの酸味をカバーできなかったからだ。
    って所の設定が良いですね
    GJ!

    2011/06/29 16:09:11

    • ピロ

      ピロ

      ありがとうございます!
      初めて書いたのでコマント来るかどうか不安だったのでよんでもらって凄く嬉しいです!
      よかったら続きも読んでください。

      2011/06/29 19:43:22

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