「さぁ、残さず食べなさい」
親から言われたこと。
『どんなものも残してはいけない。』
だから私はどんなものも食べた。
あら、もう“最後の晩餐会”の時間だわ。
今日はどんな“美味しい”お料理を喰えるかしら────一…
【悪食娘コンチータ】偉大なるバニカ様と超☆肉☆食☆系コック【原曲者に謝れ】
「それではバニカ様」
「僕たちはこれで失礼します」
とりあえず満たされた私の胃袋でお開きになった晩餐。
双子の使用人は寝支度をしていた。
「あなた達、もう寝るの?お風呂にも入ってないじゃない。不潔ねー」
「それはバニカ様の晩餐会が長引いt「大丈夫です!明日は朝シャンでもしますから!!」
メイドの言葉を遮る召使。
一体どうしたのかしら。
「それじゃあ、失礼しまーす」
召使はメイドの口を押さえながら大広間を出て行った。
「二人してどうしたのかしら…そう思わない?」
私は傍らに控えていたコックに訊いてみる。
「はい…まぁ、理由は分かりかねますような、かねないような…」
「どっちなのよ」
全く、だからヘタレは嫌なのよ。
こいつなんか料理の才能がなかったら今頃胃袋の中よ。
「まぁいいわ。そんなことより──」
私は「ブラッド・グレイヴ」というワインをとりだす。
どのワインも美味いのだが、やはり一番はこのワインだ。
「貴方も、一杯いかが?」
「え…。いや、呑むのは…ちょっと……」
「あら、残念ね」
と、口では言いながら手ではワインを二つのグラスに注ぎ込む。
一つは赤いグラス─一私のグラスであることは、いう必要もない。
「あの、言ってることとやってることが違うのですが…」
「あら、貴方はこの私のお誘いを断るのかしら?」
「いえ、そもそもアルコールh「いいから呑みなさい!」
私は無理矢理彼にワインを呑まさせた。
「ほら、美味いでしょ?なんならもっと呑みましょ───」ダンッ
コックにいきなり壁に押される。
え、何よこの状況!??
押されながら彼の顔を見る。
しかしその表情は、いつものヘタレ顔ではなかった───一。
「なぁ…」
やはり口調もいつもと違う。
とりあえず警戒モード発動だ。
--深刻なエラーが発生しました-- --深刻なエラーが発生しました--
ちがーう!それは私の曲じゃなァァァァい!!
「どうしたの?バニカ≪ちゃん≫」
「へ?別になんでも…」
っていうか今コイツ、私のこと…
「じゃあいいや。バニカちゃん、俺と一緒に遊ぼーよ♪」
…
…………
…はぁ!?
「ねぇバニカちゃん?聞いてるー?」
まさかこいつ……
アルコールホントに呑めないんじゃ─────……
「もぅ…バニカちゃんったら~」チュッ
「な…!///この私にほっぺにキスなんて──」
「いいじゃん♪じゃあ今度は唇にキスをしようよッ♪」
やべー。
萌えてきた━━━(゜∀゜)━━━ッ
「バニカちゃん?どうしt──」バタッ
今度は何事!?
「ちょっ──一どうしたのよ」
私は慌てて彼に駆け寄る。
酔いが完全に回ったのかうなされている。たった一杯呑んだだけなのに、情けないわね。
「うーん…」
どうやら気が付いたらしい。
「バニカ様…?僕は…いったい─一?」
「私を襲いにきたわよ」
半分ホントで、半分ウソだ。
「…す、すみませんでしたァァァァァ!!!!!」
いきなり土下座されると、正直反応に困る。
「ぼ、僕、実は……アルコールを飲むと──一“キス魔”になったり、超肉食系になったりするんです」
だからあんな風になってたのね。
「本当に申し訳ございません」
「いや…別にいいけど、その代わり?…」
「?」
「もう一杯呑みなさい」
「はい!?
さっきも言ったじゃないですか。アルコールはダメだt「いいから呑みなさい!」
「バニカ様!?」
「私は───一超肉食系男子が好きなのよ!!!!!」
「えええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!?????」
悪い!?別にいいじゃない!!人の好みぐらい!!!!
「ということで呑みなさい!」
「意味わかりませんから!?」
さっさと超肉食男子になれー!!
「きゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「さぁ、早く!!!さぁ!!!!!」
「ワインを呑みなさァァァァァァァい!!!!」
***
翌朝。双子の使用人──一リン、レンと呼ぶことにしよう──一二人は朝シャンを終え、大広間に向かう途中だった。
「リン、朝シャンっていいねー。さっぱりするよー」
「あっそ。そんなことより、さっさと行かないとバニカ様が怒るわよ」
「あ、そうだった!急がなきゃね!」
「ボソッ ホント馬鹿…」
リンが大広間のドアを開ける。
開けたとたん、すぐにドアを閉めレンを投げた。
普通な人なら「なにこれぇぇぇぇぇぇぇぇ」とか叫ぶかもしれないが、
彼の場合馬鹿なので、
「ばばばばばバニカ様がァァァァ僕を投げろォォォォってェェェェェ言ったのォォォォォォ!!!??」
と、馬鹿げたことを叫びながら30㌔の速さで100㍍先の廊下の壁に顔から激突。
レンが気絶したことを確認すると、リンは再びドアを開け、
「バニカ様!?これは一体どのような状況なのですか!!??」
バニカは半裸状態で、赤く火照ったコックがそこらへんに倒れている状況を、リンがどう想像するかはお任せしよう。
コメント0
関連動画0
ブクマつながり
もっと見る「もしやり直せるなら…」
彼は思い出の花火を見たいと答えた。
私もそうしたいと返した。
だけどそれはできない。
私は最後に「ごめんなさい」って言った。
あなたは最後に…
あのね、私はあなたを失いたくなかった。
だけどこうなってしまった今、私が生きている意味もない。
「ずっと一緒にいようって、いつも言...【七つの大罪】ネメシスの銃口 Ⅰ【自己解釈】
ゆるりー
私の恋人は、とってもダンディーで気が利くの……消火器だけどね!
【消火器がダンディーで気が利く場合】
消化器かカッパか、どちらがダンディーで気が利くかと聞かれれば【原曲者に謝れ】
「ただいま!」
バン! と元気よく家のドアを開けた。
家には、いつもと変わらないベッド、テーブル、タンス……そして消火器...【消火器がダンディーで気が利く場合】消化器かカッパか、どちらがダンディーで気が利くか聞かれれば【原曲者に謝れ】
雪りんご*イン率低下
……今宵の犠牲者は誰だろう?
わからない。それは富豪の誰かであるということ以外は。
さぁ、わけのわからない言葉を発する太った豚にナイフを突き立てて。
黒から、赤へ─────
【五番目のピエロ】今宵の犠牲者は……【原曲者に謝れ】
「──アンタ、よくあんな冒頭文書けたわね。勇気あるわー」
「あれ、そんな...【五番目のピエロ】今宵の犠牲者は……【原曲者に謝れ】
雪りんご*イン率低下
冬の雪は、静かに街に降り注ぐ。
寒さに身を震わせる人々の気持ちなど、何も知らずにただ舞い落ちる。
子供達は、白く冷たい雪で、はしゃいでいる。
大人達は、振り続ける雪など構いもせず、歩く速度を速めていく。
賑やかな街へ出かける気にもなれず、俺はただ窓を見ていた。
いや、正確には窓の外か――…まぁ、どち...【がくルカ】Snowy night
ゆるりー
「オーホッホッホッホ。さぁ、跪きなさい!」
私は我侭を言い放題だった。『悪ノ娘』と云われるほどに。
嗚呼、私の周りは敵ばかりだった。
それでも、君は傍にいてくれた。ずっと───一……
【悪ノ娘】ブラコン王女様と忠実な召使【原曲者に謝れ】
私と彼の出会い。
「王女様、新しい召使をお連れしました」
大臣...【悪ノ娘】ブラコン王女様と忠実な召使【原曲者に謝れ】
雪りんご*イン率低下
「さあ、跪きなさい」
愚かな王女の――いや、少女の話をしましょう。
絶対の権力を持っていたがために、あっけなくその首を落とされた彼女の話を。
昔々、とある大きな国がありました。
そこは「黄ノ国」と呼ばれていました。なんでそう呼ばれていたのかは正直よくわかりません。
その国に、一人の王女様がいました。...【七つの大罪】リリアンヌと楽しい日常【二次創作】
ゆるりー
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想