皆がリビングに集まり、それぞれの席へ座る。
すると、ミクが重たい口を開いた。

ミ「みんな、マスターが死んじゃう!!」
リ/レ「え!?」
ル「そんなに大げさなことだったかしら?」
メ「どこから死ぬことになってるのかは知らないけれど、さすがに死にはしないわよ。」
ミ「で、でもマスターすっごく苦しそうだったよ!」
リ「マスターが死ぬなんて許さない!」
カ「まぁまぁ落ち着い…」
ミ/リ「カイトはマスターが死んでもいいの!?」
カ「それはダメに決まってるよ。」
メ「とりあえず、二人とも落ち着きなさい!マスターは死なないわ。最近よく聞くコロナになったそうよ。でも、今のところ熱だけでそこまでひどくはないそうよ。」
ル「比較的軽度ではあるみたいだから、寝て栄養を取れば元に戻るわ。」
リ「それ本当?」
ル「ええ、本当よ。」
ミ「それなら良かった……。」
レ「ミクが、マスター死んじゃう!なんて言うから焦ったけど、よかった。でも、栄養をって言うなら何かご飯とか作ってあげた方が良いのかな?」
メ「そうね。大したものは食べれないでしょうけど、お粥くらいなら食べれるんじゃないかしら?」
ル「さっきは食べれないって言ってたし、お粥だとしてももう少し後の方がいいと思うわ。」
リ「レン、ルカが珍しく動いてるね(ヒソヒソ」
レ「ルカって意外と心配性だもんな。(ヒソヒソ」
ル「あら?もしかして、私のことを馬鹿にしてるのかしら??」
リ「き、気のせいだよ!ね、レン。」
レ「気のせい気のせい。」
カ「マスターがコロナになっちゃったってことは、僕たち今日は家から出られないのかい?」
ル「さぁ?人間同様に生きてるとは言え、私たちはVOCALOIDな訳だし、大丈夫じゃないかしら?」
メ「そこに関しては、マスターが起きた時とかに確認しましょう。とりあえず、私たちは家にあるものでご飯を食べましょうか。」
ミ「腹が減っては戦えないもんね!」
カ「そうだね、パワーつけないとね!」
ル「一体何と戦うつもりよ。」
メ「リン、レンよかったら手伝って頂戴。」
リ/レ「はーい。」

ミ「それで、今日は仕事ある人いるの?ミクはオフだよ。」
カ「僕も昨日まではメイちゃんと仕事だったけど、今日は休みなんだ。」
ル「私は本当はマスターと一緒に仕事の予定だったけど、マスターがコロナって事でお休みになったわ。」
カ「そうだったんだね、リンとレンはどうなんだろうか?」
ミ「リンちゃんとレンくんは、さっきメイコに電話してもらってたみたいだから仕事だったんじゃないかな?でも、6人みんなお休みになるのなんて久しぶりだね。」
ル「言われてみればそうね。なんだかんだ言って誰かしら仕事で家いないことの方が多いものね。さすが人気の緑のツインテールは違うわ。」
ミ「えっへん。」
ル「ミクは言葉通り素直に受け取ってくれるから、好きよ。」
ミ「?ありがとう。ミクもルカ大好きだよ。」
ル「あら、それは嬉しいわ。」
カ「僕のことは?」
ミ「もちろんカイトも大好きだし、リンちゃんやレンくん、メイコ、マスターもみんな大好き。」
カ「そうだね、僕もみんな大好きだよ。」
リ「3人でなんの話してるの?」
ル「手伝いはどうしたのよ?」
リ「レンが頑張ってるから大丈夫!それでなんの話?」
ミ「みんなのこと大好きだよって話。」
リ「リンもみんなに負けないくらいみんなのこと大好きだよ!」
レ「リン!油売ってないで早く戻ってこいよ!」
リ「はいはーい!今行く!!もう、レンったらリンがいないと何もできないんだから。それじゃあ行ってくる。」
ミ「行ってらっしゃい。」
ル「よくあんな恥ずかしいことを、恥ずかしげもなく言えるわね。」
ミ「なにが?」
ル「その、みんな……好きとかってのよ。」
カ「確かに、言われてみると気恥ずかしいきがするね。さっきはその場のノリで僕も言えたけど。」
ミ「恥ずかしいことじゃないよ。言葉にするのは大切だってマスター言ってたもん。」
ル「それはわかってるわ。どんなことも、口にしないと伝わらないこともわかってるけど、それでもそういうものなの!」
カ「まぁ、ルカには難しいかもね。」
ル「どう言う意味よ。」
カ「ルカは素直じゃないところがあるから、そのせいもあるのかなって。もちろん、それはルカの良さでもある。でも、たまには素直になるのも良いものだと僕は思うよ?」
ル「……。考えておくわ。」
レ「お待たせ。ご飯できたよ。」
リ「レン早くどいて。」
レ「あんま慌てるなって。」
メ「ほらほら、二人ともそこで喧嘩しないで。」
ミ「うわぁ〜!美味しそう!マスター呼んでく……。」
ル「ちょっと待ちなさい!忘れたの?マスターは今、病気で寝てるんだから部屋に入っちゃダメよ!」
ミ「あ、忘れてた……。」
メ「ほら、ミク座って食べましょう。ね?」
ミ「うん。」
レ「みんな揃ったぞ。」
リ「準備万端!みんな、手を合わせて!いただきますっ♪」
「「「「「いただきます」」」」」
ル「にしても、誰がマスターにうつしたのかしら。」
メ「そんな言い方良くないわよ。」
ル「でも実際そうじゃない?誰かがうつしたから今こうなってるわけでしょう?」
メ「まぁ、そうかもしれないけれど。誰が悪いとかって無いと思うの。」
カ「そうだね。仕方のないことだよ。」
リ「ルカはマスターのことになると周りなんてどうでもいいもんね!」
ル「なんかその言い方語弊があるわ。」
レ「でも、実際そうだろ?」
ル「マスターが元気じゃないと私がサボれないのが嫌なだけよ。」
メ「そうね。心配で心配で寝れなくなってしまうものね?」
カ「どうしよう、マスターがって最初に慌てふためていたのもルカだったね。」
ル「ちょっ、カイトそれ言わないでって言ったでしょ!!」
ミ「マスターが死んじゃうって思ったのは私だけじゃなかったんだね!うんうん。」
ル「別に死んじゃうなんて思わなかったわよ。」
リ「本当かな〜?」
ル「何よ、その顔。」
リ「べっつに〜!ご馳走様でした!バイバ〜イ。」
ル「待ちなさい!もうっ。」
メ「マスター寝てるんだからもう少し静かにしなさい。」
レ「俺もご馳走様!リン待ってよ。」
リ「早く〜!」
カ「二人とも、今はマスターの部屋入っちゃダメだよ。」
リ/レ「はーい。」
ル「こんな時でも元気なんてすごいわね。」
ミ「ご馳走様でした。私もリンちゃんとレンくんの部屋へ行ってくる。」
ル「行ってらっしゃい。」
メ「ミクもマスターの部屋には……」
ミ「わかってるよ。」
カ「みんな、マスターのことが心配なんだね。」
メ「そうね。ご馳走様でした。二人とも食べ終わった?」
カ「ご馳走様。今日も美味しかったよ。」
ル「ええ、食べ終わったわ。」
メ「ならお皿片付けて洗い物終わらせちゃうわね。終わった後インスタントだけどコーヒーでも淹れようと思ってるのだけれど。」
カ「できれば僕の分も頼むよ。」
ル「私は……今日はいいわ。折角おやすみになったから今から部屋で寝るわ。」
メ「そう、わかったわ。死なないとわかってやっと安心して眠れるものね?」
ル「だから!ああもういいわよ。そういうことにしといてあげる。それじゃあおやすみ。」
カ「おやすみなさい。」
メ「あまり寝すぎると夜が寝れなくなるから程々にね。」
ル「わかってるわよ。」
ルカの部屋へ向かう。
ル「はぁ……。(ため息)」
ル「私に何か出来ることはないのかしら。料理ならメイコの方がいいだろうし、きっと私よりミク達の方が元気づけるのも上手いだろうし。こう思うと私って何もできないものね。とりあえず、寝ましょう。」


……やっぱ眠れない。マスターは大丈夫なのかしら?自分に何度も大丈夫と言い聞かせてはいても、やはり心配になってしまう。
私ってこんなに心配性だったかしら?
ああ、またみんなに笑われちゃう。私は別に心配なんてしてない。ちょっと気になってるだけよ。そう、だからいつも通りお昼寝して忘れましょう。目を瞑ってれば必ず眠れるはず。
……とっても静か。部屋の外からいつもは聞こえる誰かしらの音さえもない。いつもはうるさくて嫌なはずの音が無いのが嫌なんて、どうしてかしら。
素直じゃない、そういうことなのかしらね。


ル「……今何時かしら?……なんだかんだで私いつのまにか寝ていたのね。でも、あまりスッキリしないわね。いつもなら3時間くらい寝ただけでもスッキリしていたのに。とりあえず、何か飲みたいしメイコ に紅茶でも入れてもらおうかしら。」

ル「メイコ〜。」
メ「あら、ルカ。おはよう。どう?寝れた?」
ル「微妙って感じかしらね。それと、喉乾いたから紅茶入れてもらえる?この間買ったティーバッグでいいから。」
メ「それくらい自分で入れなさいよ。」
ル「お願〜い。」
メ「仕方ないわね。入れてくるわ。」
ル「ありがとう。」
カ「あ、ルカ起きてたんだね。おはよう。」
ル「おはよう。その袋何?カイトはどこか行ってきたの?」
カ「家に冷却シートとか足りなかったし、レトルト食品もなかったから買いに行ってきたんだ。ついでにマスターも食べやすいだろうと思って、ゼリーやプリンも買ってきたんだ。もちろん、みんなの分も買ってきたよ。」
ル「さすが、気が効くじゃない。でも、外出してよかったの?」
カ「迷ったけど、ここ最近で一番接触してないのは僕だし、マスクとマフラーの二重ならどうにかなるんじゃないかなって思ってね!」
ル「詳しいことはよくわからないけど、まぁ行かないと家に何もないものね。」
メ「マスターが治る前に私たちが餓死しちゃ意味ないもの。はい、紅茶よ。」
ル「ありがとう。」
カ「今日は寄り道もアイスも買わずに帰ってきたんだ。」
メ「いつもそうしてくれるとありがたいんだけどね。」
ル「そうね。まぁ、カイトの買ってくるアイス美味しいから私はいいけど。」
カ「最近アイスの減りが早いと思ったら、ルカも食べてたのか!」
ル「あら?知らなかったの?っていうか私だけじゃなくてみんな食べてるわよ?」
カ「メイちゃんも!?」
メ「ええ、たまにね。別に問題ないでしょう?」
カ「問題はないけど、みんな食べてるならアイス係に任命してほしいよ。」
メ「それはダメね。」
ル「絶対任せられないわね。」
カ「どうしてだい?」
メ「冷凍庫に入りきらないくらい買ってくるでしょう?」
カ「そ、それはちゃんと考えて……。」
メ「忘れたとは言わせないわよ?」
カ「あ、あはは。」

メ「あら、マスター。起きてきて大丈夫なの?」
ル「マスター!?大丈夫なの!?」
マ「ルカ、落ち着いて。大丈夫だよ。熱があるだけで他は問題ないし。」
メ「食欲はあるの?」
マ「うーん、よくわかんないけど少し食べたい気もする。」
カ「それなら、プリン買ってきたから食べようか。」
マ「プリン?ありがとう、カイト。」
ル「あまり無理しないでよ。」
マ「ルカは本当に心配性だな。ありがとう。」
カ「はい、プリンとスプーン。」
マ「ありがとう。みんなは食べないの?」
ル「今は、別にいらいなわ。」
メ「私たちは夕食後のデザートとして食べようかしらね。」
ル「それより、マスター。起きてるの辛いでしょう?さっさと食べて寝たほうがいいわよ。
マ「そうだね。じゃあ、いただきます。うん、美味しいよ。」
カ「そうだ、マスターに聞きたかったことがあるんだ。コロナになって僕らは濃厚接触者?というものになるんだろう?それなら外出とかは控えた方がいいのかい?」
マ「あれ?それってルカに伝えなかったっけ?」
ル「聴いてないわよ。」
マ「そっか。えっと、病院の人に聞いたら今のところ風邪と違ってコロナがVOCALOIDに感染することはないみたい。だから、みんなはいつも通りに過ごして平気だよ。」
メ「それなら安心ね。」
マ「ただ、マスター付き添いの仕事とかは治るまで当分お休みかな。」
ル「マスター付き添いが必要な仕事って、今は私かしら?」
マ「そうだね。だから、お休みだよ。」
ル「ラッキー。それなら、お昼寝し放題じゃない。」
メ「お休みの分、掃除とかご飯の用意とか手伝ってちょうだいよ?」
ル「ミクが手伝ってくれるでしょう?」
メ「そういう事じゃないのよ。」
マ「二人とも、まあまあ。」
ル「まあ、どうせ休みなんてやる事ないし、メイコがお願いしてくるからやってあげなくもないわ。」
メ「ええ、よろしくね。」
マ「食べ終わったし、そろそろ部屋に戻るね。」
カ「部屋まで一人で戻れるかい?」
マ「そこまで弱ってないから大丈夫だよ。」
ル「あ、待って!冷却シートだけ、カイト冷却シート頂戴。」
カ「えーと、あった。はいどうぞ。」
ル「ありがとう!ちょっと待ってよ、オッケー。マスター行くわよ?準備はいい?」
マ「う、うん。」
ル(冷却シートをマスターのおでこに貼る)
マ「つ、冷たい。」
ル「部屋戻っていいわよ。おやすみなさい。」
マ「ありがとう。おやすみなさい。」
カ/メ「おやすみなさい。」

ル「思ったより元気そうでよかったわ。」
メ「そうね。」
カ「そうだね。」
ル「なによ、二人でニヤニヤして気持ち悪い。」
メ「別に何もないわよね?」
カ「うん。何もないよ。」
ル「まあ、今日は許してあげるわ。」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

記憶の4ページ

我が家のボカロ達の日常です。

解釈違い苦手な方はご遠慮下さい。
※マスターも喋る時があります

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投稿日:2023/02/02 23:52:57

文字数:5,451文字

カテゴリ:小説

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