繁る緑 深さを増す蒼 あの日思う
今年もまた この季節が来る 当たり前に
「夏が好きなの」と 微笑んだ笑顔は
この瞼の裏 写真のように 残っているよ
白い日差しの中で 君は
僕を一人 置いていってしまった
その綺麗な 後姿も
蜃気楼の中 溶けて消えてしまった
茹だる温度 通り抜ける風 花の香り
思い返す いつだって君は 隣にいた
「元気でね」とそう 呟いた言葉は
胸の中でまだ 刺のように刺さっているよ
戻らない日々をただ想う
虚しいことだとは知っているけど
それでも塞がらない痕が
迫る暑さの中 開いて
おぼろに浮かぶ 陽炎の色
それが幻だと わかっていても
忘れられない 君との日々
二度と来ない 鮮やかだったあの夏
+ + + + + + + + + +
しげるみどり ふかさをますあお あのひおもう
ことしもまた このきせつがくる あたりまえに
なつがすきなのと ほほえんだ えがおは
このまぶたのうら しゃしんのように のこっているよ
しろいひざしのなかで きみは
ぼくをひとり おいていってしまった
そのきれいな うしろすがたも
しんきろうのなか とけてきえてしまった
うだるおんど とおりぬけるかぜ はなのかおり
おもいかえす いつだってきみは となりにいた
げんきでねとそう つぶやいた ことばは
むねのなかでまだ とげのように ささっているよ
もどらないひびを ただおもう
むなしいことだとは しっているけど
それでも ふさがらないあとが
せまる あつさのなかひらいて
おぼろにうかぶ かげろうのいろ
それがまぼろしだと わかっていても
わすれられない きみとのひび
にどとこない あざやかだったあのなつ
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