「え?」
誰もがその光景に一瞬目を疑った。
テトが引っ張り出したのは、ミキとミキを襲っていた龍であった。
「げっ!こいつは…シリウス?」
「さっき言ってた再生する龍か?」
「痛たた…テトちーん!もっと優しく出来ないのぉ?」
「み、ミキ…あいつを見ろ!」
テトの様子がおかしいのにすぐに気付いた、後ろを振り返ると、先ほどミキが相手していた龍が凄い形相でこちらを睨んでいた。
「うげぇ…。これさっきの龍じゃないの!なんで?」
「こっちが聞きてぇよ。とりあえず片づけるしかなさそうだな…」
「カイトさん、この龍…。嫌な予感がしますなんか、他の能力があるような?」
「ハク?それ、本気で言ってるの?」
ハクの発言にルカが反応しハクを問い詰めるが、相変わらずの弱気顔で、うーんと唸っていた。
「いや、本当に直感なんですけど、変な感じがするんです」
「義姉さんの直感は凄い当たるから怖いんだよねぇ。とりあえず戦うしかないみたいだよ」
「カイト、ネルちゃんの言うとおり倒さなくても良いから戦うしかないみたいよ!このままじゃ全員殺されるわよ?」
その言葉にカイトは剣を抜き、強く握りしめた。
「あぁ、やってやるさ!皆行くぞ!ルコ、俺に合わせろ!」
「へっ!しょうがねぇ。だが、カイト…。案はあるのか?」
「再生するみたいだから、再生する前に高速で連撃を叩きこむ!」
「なるほど。良い案だ!」
ルコはにやりと笑いカイトと共にシリウスに向かって飛び込んだ。
「奥義!【疾空瞬連殺】!」
「奥義!【風塵瞬連斬】!」
二人が高速でシリウスを刻んでいくが、シリウスの回復速度は想像を遥かに超え、瞬く間に損傷部分を修復した。
「ウソだろ?これだけやってもびくともしねぇ!」
「カイト!どうするよ?カイト…」
カイトが急に頭を抱え、その場に膝を着いた。
それを見たミクは真っ先にカイトに駆け寄る。
「カイト!どうしたのよ!カイト?」
「だ、黙れ…」
「え?」
カイトの言葉から聞くはずもない言葉が発せられた、ミクは初めての出来ごとに一瞬心を奪われた。
「ミク!カイトを此処に置くと危ないからとっととカイトを連れて逃げろ!」
「うん。ルコ、気をつけてね!」
「あぁ、さて…。」
ルコは鎌をぐっと握りしめ、ため息を1つをつき、テトとリツを見た。
さすが、長年付き合ってるせいか、何かの合図なのだろう。
すぐに二人はルコの下に駆けていった。
「いったい何をするの?」
「解らないけど…。とりあえず見ていましょう。」
「ルコ…あれをやるんだね?」
「ルコ。貴方成功した事無いのに…」
「やってみなきゃ解んないだろ?それに…。今はこいつを片づけるのが最優先だ!こいつを片づけられるなら失敗してもかまわねぇ」
「ルコ!貴方本気で言ってるの?失敗したらどうなるか解ってるわよね?」
「二度と動けなくなる…」
ルコは小声でぼそっと呟いた。
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ルコは不敵な笑みを浮かべ、空を見上げた。
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