「はぁ・・・」
キラキラ光り輝きながら流れる川の上辺を見つめては、私はため息をついた。
「今日は、天気がすっごくいいのに、何で・・・」
横には、大量の洗濯物。私はがっくりと肩を落として、また洗濯に戻った。・・・こんなの、あの世界だったら一瞬で片付くだろうなぁ。
「・・・ん?」
ごしごしと洗っていると、上流から何かが流れてきた。やがて、それは私の目の前に来て、川の流れがあるにもかかわらず止まった。
「なんだろ、これ・・・」
私は呟きながら、桃太郎の話を思い出していた。・・・とはいっても、全くおばあさんじゃないし、何より・・・。
目の前の何かは、桃じゃない。絶対。断言できる。そう思っていたら、その何かはパカッと半分に開いた。
「今年からは、世界電子化ですので、お知らせに来ましたよー!」
中から、ピンクに似た髪の色の女の子が勢いよく飛び出して、私に向けて元気よく言った。その直後、
「あいたたた・・・まだ、腰痛が・・・」
「・・・あの、大丈夫ですか?」
腰を押さえ痛がる女の子に、とりあえず言う私。
「あ、はい、大丈夫ですよぉ・・・」
そう言いつつも、全く大丈夫じゃなさそうな気がする。
「それで、その・・・乗り物なんですか、それ?」
なんとも形容しがたい何かの正体について、聞いてみた。すると、
「そうなんですよ! 私の大・大・大好物のプレーンっていう食べ物をかたどった特製乗用車なんですよー!!」
一気に元気良さを取り戻した女の子は、まくし立てる。
「ぷれーん・・・初めて聞きました。それと、じょうようしゃっていうのも」
少し唖然としながら、聞き慣れない単語を聞き返す。
「あー・・・ここは猫村だったねー」
「ご存じなんですか?」
「もちろん。あなたが、猫村に住んでいるいろはちゃんっていうのぐらい、私は分かってますよ」
にこにこしながら言う女の子。なんか、抱きつきたくなるなぁ・・・。
「・・・」
私が何も言わずに見つめていると、
「あ、私の名前はミキ。本当は、mikiって英語なんだけど、とりあえずはカタカナでミキって言うんだー」
「ミキ・・・」
えいごっていう言い方が、普通しゃべるのとはちがった感じだった。なんかすごい。
「それで、近々、この世界もいよいよ電子化になりますので」
「え、電子化って、あの世界の?」
私は、あの世界・・・電子空間がほぼ無限に広がる世界に、憧れを抱いていた。そのことを、目の前に立っているミキという可愛い女の子は、知っているのだろうか。
「そうです。電子世界」
「へぇ・・・」
「ただ今、電子世界は、音楽などをメインとしておりまして。・・・いろはちゃん」
「何でしょう?」
「よかったら、この猫村を代表して、ボーカルを務めてもらいたいんですよ」
「ぼーかる・・・?」
「ボーカルっていうのは、歌を歌う人のことです」
「歌を歌う人・・・私が」
そういえば、人がいないところで、密かに歌っていたことがある。
「でも、私なんかが・・・似合うんでしょうか・・・」
「もちろん! 絶対、似合いますよ!!」
気弱な私の言葉に、ミキは笑顔で頷いてくれた。
だから、
「・・・じゃあ、やります!」
って、笑顔で言うことができた。














名前は、そのまま「猫村いろは」に決定した。
そして、最近、デビューした。
世界電子化の完了までには、まだまだ1か月ぐらいはかかりそうって、ミキは言った。後から聞いた話なんだけど、ミキは世界電子化ということを広める広報人っていう人らしい。自身もボーカルで歌いながら、それと並行して活動を行なっている・・・なんだか私には真似できないことだと思った。
世界電子化が完成しないと、他の世界へは行けないそうだ。しかし、無事に完成し鉄道も完成すれば、他の世界へ自由に行くことができる。他の世界といっても、数えきれないほど存在しているらしい。まさに、無限に広がる電子の世界、である。
「あと、1か月少しですよー!」
そう言ってやってきたミキ。時々・・・というか、ほぼ毎日遊びに来てくれて、色んなことを話してくれる。
「やっぱり、時間がかかるんでしょうねぇ」
私がそう返すと、ミキは頷いた。
「色々、微調整とかありますからね・・・。それはそうと、どうですか? 調子の方は」
「調子は、すっごくいいんです! 私の相棒も、結構役に立ちますし」
そう言うと、私の両隣にふわふわと浮かぶ相棒は、嬉しそうに宙を跳ねた。
「よかった!」
ミキも、ほっとしたように言う。
「それに、これも役に立つんですよ」
私は、手に持っているピンク色の丸い形をした増幅装置を示した。
「不審者とかいたら、これで村から追い払えますからね!」
にっこり笑って、自慢げに言った私に、
「・・・そうですね」
若干苦笑いして、ミキは言った。






寒い日の合間にのぞく青空が見えた。




ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【独自猫村いろは誕生説】 川で洗濯していたら、何かが流れてきた。

こんにちは、もごもご犬ですこんばんは!
猫村いろはちゃんのことが分からないので、私独自に書かせてもらいました!><
っていうか、題名が・・・もう少し、何とかならないのかなー。


次回も、お楽しみに!^^

閲覧数:127

投稿日:2011/01/22 17:25:59

文字数:2,015文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

  • 関連動画0

  • もごもご犬

    もごもご犬

    コメントのお返し

    >鏡美姫*さん

    こんにちは、初めまして!
    こんな小説を読んで下さり、ありがとうございます!^^

    いろはちゃんのイメージが伝わったようで、すっごく嬉しいです♪
    可愛らしい・・・そう言ってもらうと書いたかいがあります!><
    後々、いろはちゃんは出てくる予定なので、楽しみにしてもらうと頑張れます!
    コメント、ありがとうございました!!

    2011/01/29 14:38:13

オススメ作品

クリップボードにコピーしました