初恋メロディー 過去巡り そのよん



次の日の昼休みに私とハナがご飯を食べていると、ハナが

「さて、我々のパーティにヒロと優希が加わったわけだが…」

「パーティって…FFじゃないんだから…」

私は自分で作ったお弁当、ハナは今日はコロッケパン

「問題は…サキだね。いや、問題のサキだな…」

「そうね…問題のサキね…どうしよっか?」

サキ…かなり頑固だからなぁ…一筋縄じゃいかないかぁ…

う~~ん…どうしよう?

おかずのトマトを食べ 、箸を口に入れたままの状態で私が悩んでいると

「あのさぁ…流香?」

「ん?何よハナ?」

コロッケパンを食べながらハナは

「私達が合唱部作るでしょ?それで?どんな練習するの?

やっぱり…中学の時と同じ…とか?」

「うん。同じにするつもりだよ?」

「あっさり答えないでよ…まじかぁ~~キッツいなぁ~~」

ハナが机にぐで~となり

「せめてみんなの意見を聞こうよ~~、顧問だって……そういや誰?」

上目で私に聞いてきたので

「担任の先生が、頼めば顧問やってやる~って言ってたよ?」

「あぁ…そうなんだ…」

「でもまぁ…中学の時とは少し練習量を減らすかな?勉強あるし…それに…」

「それに?」

「サキのことがあるし……サキが練習を嫌がってたのはサキの体…」

私が言いよどむとハナも察して…

「あぁ…うん。そうだったね…」

と全部は聞かなかった

サキは体があまり丈夫な子では無い。

でも歌が好きだからと合唱部に入ったが練習がキツくて何度も倒れた。

その度に皆にやめたいと言っていたが、歌が好きだから3年間やめなかった。

サキは先生が作った練習メニューをやらなくても歌が上手かったが、

先生が特別扱いはしないと言い、サキにも同じ練習をやらせた。

「だから…サキ用の練習メニューを考えているの。

サキはあんなキツイ練習をしなくても歌が上手いんだから…」

「そうだね…それがいいかもね…」

「まぁ私達の練習メニューは少しだけしか変わらないと思うけど…」

「ええぇっ!?何でよ!?いいじゃんか~かなり減らそうよ~

あの鬼顧問もいないわけだし~~ねぇ~?流香~…」

「だ、だって…合唱部を引退してから…そのぉ…」

少しモジモジすると

「何?なんかあったの?」

「その……言いづらいんだけど…」

「うん?何?」

「そのぉ……スタイルが……」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

2人の間に沈黙が流れて

「…お前のスタイルの為か?」

「…だ、だって…」

合唱部を引退してから私のスタイルが少し変わってしまった。

簡単に言うと……少しだけ太ったのだ



放課後になってすぐサキがいるクラスにハナと行ってみた

「サキさ~ん?いますか~?」

「サキ~?いる?」

後ろの扉からひょっこりと顔だけ入れて教室を覗き込むが、

「サキいないねぇ…」

「うん。いないわね…」

サキの姿はなかったので

「ねぇねぇ、サキ知んない?」

ハナがクラスの子を捕まえて聞くと

「サキ?もう帰っちゃったよ?」

「は?もう?」

「え?本当?だってまだ終わって数分だよ?速すぎるよ」

速いよサキ…

「え?マジで?つーかサキ部活は?何部か知んない?」

「ん~?ちょっと聞いたけど演劇部に入るらしいよ」

「え?演劇部?え?今日は?演劇部じゃないの?」

私の質問に

「今日は演劇部は無いみたい。だから帰るって言って帰っちゃったよ?」

「マジで?つーか何で演劇部に入ったの?何で?」

「確か…中学の時は合唱部だったけど練習がかなりキツかったから

すごく嫌だった。でもまた合唱部に入ろうとしたら無いから、じゃあ演劇部に

入るって言ってたよ?演劇部でも歌えるし、衣装を作ったりする仕事も

私、服作るの好きって言って、だから演劇部に入るって…」

私とハナは顔を合わせて

「そ、そうだったわね…サキ、服作るの好きだったよね…」

「家庭科の裁縫…プロ級だったよね?先生が欲しいって言ってたっけ…」

中学の時のサキを話していると

「もぉ…いい?じゃあね?」

と話してくれた子が立ち去ったので

「ありがと~じゃあね~」

と私が言うと、ハナが

「どーする?流香?サキがもう演劇部に入ってるって…」

「ん~?どうしよっか?あっ、でも合唱部に入るつもりはあったのよね?

でも無いから演劇部に入った。と?」

「でも演劇部でも歌えるから演劇部に入ったんでしょ?

それを知ってても誘うの?合唱部を作ろうと思ってるから一緒にやろうって?

無理でしょ?」

「やっぱりそうかなぁ?でも一応サキに話ししてみない?」

ハナは渋い顔をしながら

「うまくいくとは思えないなぁ…まぁでも一応は話ししてみるか…」


私達は教室を出てサキを追っかけた

駅までの道で

「サキ、まっすぐ帰っちゃったのかなぁ?」

「もしかしたら本屋に行ってるかもしんないよ?行ってみる?流香」

「そうね、行ってみましょう」

と行って2人で駅の反対側のショッピングモールに向かって

1階の本屋でサキを見つけたので

「いたっ!サキ~」

と私が呼ぶと

「あっ、流香とハナだ。何?2人とも買い物?」

サキがもしドラを立ち読みしながら私達を見た

「いんや~買い物じゃなくてサキに用があったの」

とハナが本屋の手前で買ったアイスを食べながらそう言った

しっかり買い物してるじゃない…ハナ…

「店の中でアイス食べるんじゃないよハナ…出よう」

サキの意見で本屋を出て、私とサキもアイスを買ってみんなで食べてると

「それで?私に用って何?」

サキが私に聞いてくるので

「うん…えっとね…」

ヒロや優希と違ってサキはもう演劇部に入ってるし…

しかもサキは割りと頑固だし…一回演劇部に入ってるから駄目って言いそう…

やっぱりここは少し遠まわしに…

「あのね、サキは…」

何部に入ったの?と知ってることを知らない振りして聞こうとしたら

「一緒に合唱部作ろうよ?」

ベチャッ!

普通に言ってしまったハナの目に私がアイスを突っ込んだ

「冷てぇぇー!!流香お前バカじゃねぇのっ!?

なに人の目にアイス入れてんだよ!?私の目を凍らせる気かよっ!?」

「馬鹿はハナでしょっ!?昨日の今日でなんで同じこと言ってんの!?」

「用って何?って聞かれたからだよ!!」

「だから遠まわしに行こうって昨日言ったよ!?覚えてない!?

どうせ忘れてたんでしょ!?」

「覚えてるよ!!たった今思い出したよ!!目に刺激があったからね!!

だからってアイス突っ込まなくてもいいじゃん!?

眼球とアイスが入れ替わったらどうするんだよ!?大変だろ!?」

「そんなことありませんー!!あーあ、ハナのせいでアイス台無しじゃん!!

新しく買ってきて!!今度はバニラねー!!」

「お前がアイス突っ込んだんだろ!?なんで私が弁償するの!?」

「ハナがいきなり言っちゃったからだよ!!」

「じゃあほらアイス返すよ!!私の眼球味のアイス!!」

「いらないよ!!眼球味のアイスなんて!!ハナが食べなよ!?」

と私とハナが喧嘩していると

「合唱部を作るって何?」

横のサキが私達の喧嘩を無視して聞いてきたので

「え、え~とね…」

ハナに眼球味のアイスを食べさせながら、昨日ヒロ達に言ったことと

同じ事を私は言った



「だから…またみんなで合唱部をやろうと思ってるの…」

サキはアイスを舐めながら

「もう演劇部に入っちゃったから無理だね…」

「はぁ~~やっぱりか~」

私はガクッと落ち込んだ

残念だぁ……サキで5人全員が揃って合唱部が作れると思っていたのに…

でも、無理強いはできないし…

「ヒロと優希は?あの2人も合唱部に入るの?」

横目でサキが聞いてくるので

「え?うん。ヒロと優希には昨日話してOKもらったよ?だからあと1人」

「そうなんだ…でも無理だね。じゃあね」

そう言ってサキが立ち上がったので

「あ、うん。じゃあね。今日はごめんね」

と私が手を振ると

「ん~じゃ、私も帰るね。じゃ~ね流香」

ハナも立ち上がった

「あっ、そうかそうか2人とも同じ電車だったね…じゃーねハナ」



サキとハナが立ち去った後、私は1人で考えた

サキが入らない…じゃああと1人は誰か別の子を誘うしかないなぁ…

ウチのクラスの子に話しかけてみるかな?

でも練習がキツイって辞めたりしないかな?いや…辞めるだろうなぁ…

う~~ん…どうしよう……

色々と悩み

まぁ、今から辞めることを考えても意味無いよね…

私は家に帰った




次の日の昼休み。私はお弁当でハナはフランスパンを一本食べていた

フランスパン一本丸々って…

「そういやどこを部室にするの?」

もふもふとフランスパンを食べながらハナが私に聞いてきた

「ん?第二音楽室だよ?先生がもう使っててもいいってさ」

「じゃあみんなでそこに集まるか」

ハナの提案に

「え?でもまだ5人揃ってないよ?あと1人捕まえなくちゃ」

「私達だけで動くよりもヒロと優希も混ぜてみんなで動いた方がいいでしょ?

クラスの子に声をかけるならあの2人にも手伝ってもらわないと」

「あぁそっか、そうだよね…」



そして放課後になり4人で第二音楽室、部室に集まり

「……でサキをゲットすることができませんでした。」

昨日のサキとの事をヒロと優希に話した

「まぁ仕方ないんじゃない?サキにはサキの考えがあるし…」

「でもちょっと…残念…またみんなで…やりたかった…」

優希がかなりショボーンとしていた

「うん残念だね…だからあと1人をみんなで捕まえようってハナが言って、

今日からここに集まってもらうことにしたの」

ヒロも仕方ないと言ってるけど、ちょっと落ち込んでる…

「そう。だからみんなで良い案出して、あと1人ゲットしよ?」

ハナが明るく言ったので

「…そうだね。やっぱりクラスの子に声をかけるのが無難かしら?」

気持ちを切り替えて私は案を出すと

「そうだね……でもそれだけでいい?ポスターとか作ったら?」

「ポスターって…誰が書くの?…流香かヒロ?」

ヒロと優希が加わってくれたので私は

「絵は優希が上手いでしょ?お姉さんの漫画を手伝ったことあるんでしょ?」

「ちょっと待て!なんで私を省いたんだよ!?」

「だってハナ…絵ヘタクソ…幼稚園レベル…落書き…酷すぎる…ゴミ」

「おぉーい!?言いすぎだぞ優希!!」

みんなで話し合いを始めた


30分ぐらい経ち

「…ポスターは優希とゆうことで…じゃあ今日はもう帰ろっか?」

私がそう言って立ち上がると

「え~?もうちょっとみんなで話そうよ~?」

ハナが止めたので

「じゃあ…もうちょっとだけね…」

と私はまた座りみんなを見た

「今度みんなでショッピングモールに行こーよ?」

「いいねぇ~ハナ。3階の新しいお店に私行ってみたかったんだよね~」

「ヒロ…こないだ新しい服買って…お金無いって…言ってなかった?」

私がいてハナがいて…優希がいてヒロがいる…

中学の時はサキもいたけど…

なんか懐かしいなぁ…

部活の後もみんなでずーっと話しして、先輩に怒られたりして…

私がみんなを見てぼんやりしていると

がちゃ、

部室のドアが開いた

「え?」

「あっ」

「…へ?」

「……」

私達は驚いた





意外な人物がそこに立っていて意外なことを言った

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

初恋メロディー 過去巡りその4

初恋メロディー過去巡りのその4です。

またオリキャラのサキを出しました。

でも容姿が自分でも思い浮かばない!!

なんで!?どっかにオリキャラの参考本とか売ってないかなぁ

閲覧数:64

投稿日:2011/11/09 15:09:46

文字数:4,840文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました