都市の音楽大学に入って二年。一人生活でバイトをしながら俺は自分の作品を送り、とある応募の最優秀賞を取った。実のところ手当たり次第に応募した中の一つだったこともあって景品の内容を全く知らなかったので、後日自宅に彼女が届いたのは不思議だった。

「はい、どちら様でしょうか?」
 戸を開けるとスーツ姿の男性がいた。
「クリプトン社のものです。」
 一歩後ろには女子が一人立っている。淡い緑色のツインテールという奇抜な髪型ではあるが、着ている服からして高校生だろうか。
「第三回音人(おとびと)大賞の最優秀賞を受賞されましたので、その景品をお届けに参りました」
「あ、そうでしたか、ありがとうございます」
 答えると、先ほどの女子が前に一歩出る。だが、二人とも景品らしきものを持っている様子は無い。それとももっと大きいもので、車に詰められたままなのだろうか、と思って周りを見渡してみるがめぼしい車は無い。
「あの、えっと、景品はどちらでしょうか?」
「こちらがその景品です」
 スーツの人が指す先には女子がいるだけで、やはり景品らしい景品は見当たらない。どういうことなのだろうと首を傾げているとき、彼女はその一言を言い放った。
「私が景品です」

 ………………え?

「あの、えっと、そちらの女性の言っていることが分からないのですが……」
「言葉通りです」

 …………え?

「いや、言葉通りと言われましても、彼女が景品を持っているようには見えないのですが……」
「いいえ、彼女自身が景品です」

 ……え?

「いや、人間が景品というのは、その、どういうことでしょうか?」
「彼女はロボットです。最新の技術で作られた歌うための機械です。今日からこの家に住むことになりますので、よろしくお願いします」

 え……ええええええええええええええ!?

「失礼します」
 彼女が部屋へと上がってくる。そしてスーツの男は去っていく。離れていく二人に挟まれて、俺は茫然と玄関で立ち尽くしていた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

No.1二人生活の始まり 【ボカファ】

こんにちは
お久しぶりです。
ヘルです。

大学でのんびりとやってます♪
今回はだいぶ短かったですが、いつもはもう少し長い文を書こうと思っています。

よかったらコメントしていってくださいね^^


読者の皆様にワルキューレが微笑むことを

閲覧数:143

投稿日:2012/08/19 15:44:28

文字数:843文字

カテゴリ:小説

  • コメント3

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    主人公の反応はもっともでww

    えええええええええしか言いようがないですもんねwww

    ミク…ほしいn(自重

    2012/08/28 19:29:45

    • ヘルケロ

      ヘルケロ

      >レイさん
      読んでくれてありっと!
      いつでもいらっしゃいな^^

      >しるるさん
      「ええええええええええ」ってなりますよねwww
      ほしい気持ち、痛いほどわかりまふ^p^

      2012/08/30 09:32:49

  • *。

    *。

    ご意見・ご感想

    こめんとありがとうございました!

    ヘルさんの小説とてもいいです!
    また読みにきますっ♪

    2012/08/26 03:21:55

    • ヘルケロ

      ヘルケロ

      >レイさん
      読んでくれてありっと!
      いつでもいらっしゃいな^^

      >しるるさん
      「ええええええええええ」ってなりますよねwww
      ほしい気持ち、痛いほどわかりまふ^p^

      2012/08/30 09:32:49

  • kumoia

    kumoia

    ご意見・ご感想

    どうも!気になったので読ませてもらいました。
    展開の仕方が上手だなと思いました。
    私のなんか全然w敵わないです
    ボカファシリーズ読みたいのでじゃんじゃん書いてください!

    2012/08/22 17:34:09

    • ヘルケロ

      ヘルケロ

      読んでくれてありっとぉぉぉ!

      今は夏休みなのでがんばります^^
      夏休み終わった後は週一ぐらいであげれたらな?、などと夢を見てみたり……w

      とりま、ありっと!
      また来てくださいましね^^

      2012/08/22 21:43:20

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