AM５：３０

僕はいつもこの時間に起きて、テイやルコのお弁当を作る。
この時間にしか起きられないとか・・・それは言っちゃだめだよ。


AM６：００

テイ起床。大学生はレポートやら何やらで忙しいみたい。
かく言う僕も短大生だったわけだけど、別に何を取得したわけでもないしなぁ。
大学・・・行った意味あったかな？


AM８：００

ルコを起こしに行く。全く、この時間って寝坊だろー。
ちなみに今日は部活がある、らしい。
春休みにも部活があるなんて大変だねー学生は。


AM９：３０

渋々起きてきた(しかし半分まだ寝てる)ルコに朝ごはんを食べさせ、片付けをしながらルコを見送った。
その後は自分の朝ごはん。もちろんフランスパン。
やっぱりフランスパン美味しいよね。


ＰＭ１２：００

一通りの家事も終え、少しお腹も空いてきたところでお昼ご飯を作り始める。
前までは『友達の輪！』で有名だったあの番組を見ていたけど・・・うん、終わっちゃったしね。
今は見る番組もないし、のんびりしていよう。


ＰＭ１：３０

・・・ご飯のあとの昼寝って良くないんだよね確か。
でもやっちゃうよね、炬燵が気持ちいいんだもん・・・春だけど。
そういえばテイは今日午前中だけって言ってた気がするけど、帰ってこないなあ。


ＰＭ３：３０

おやつにフランスパンのフレンチトーストを食べる。
ちなみに僕の体の大半はフランスパンで作られてると言ってもいいかもね。
あ、洗濯物もうそろそろ取り込まなきゃ。


ＰＭ５：００

・・・遅いなあ。
テイももちろんだけど、口癖が「おうちかえりたい」のルコも何時になく遅い気がする。
友達と遊んでるのかな。暗くなる前には帰るだろうけど。



パチっ。

突然、部屋が暗くなる。
最近はココらへんで電気工事をしているから停電することもあるけど、まさか予告もなしに暗くなるなんて。
また今度文句でも言いに行こうかな、なんてことを考えていると、

『ハーピバースデーテューユー、ハーピバースデーテューユー』

後ろから聞きなれた声がしてきた。
「歌うのは嫌い」っていう、可愛いみんなの歌声が。
振り向くと、ほのかな明かりに照らされたテイとルコ、それにテイの先輩のマコちゃんに後輩のおじょちゃんまでいた。
明かりの正体は蝋燭だった。


『ハーピバースデーイアテートー、ハーピバースデーテューユー』
「おめでとうテト！」
「テト先輩おめでとうです！」

歌い終わったあとに鳴らされたのはクラッカー。飛び出してくる紙が少し顔に引っ付いた。
呆然とする僕を置き去りにして、ケーキを置いたり照明をつけたりする皆。
・・・おーい僕の存在忘れてない？

「もうっテト、そんなぼけーっとして・・・」
「俺らずっとこれ準備してたんだぜ？」

テイとルコは苦笑しながら僕の周りに座る。
そういえば僕、今日誕生日だったのすっかり忘れてた・・・。



「テト、いつもお弁当作ってくれたり、家事をしてくれてありがと！」
「その感謝の気持ちをケーキで表してみたんだ。これ俺らが作ったんだぜ？」

そう言われてケーキをまじまじと見ると、確かに市販のケーキと比べて型崩れはしている。
けど、フランスパンがスポンジの中に入っていて、僕のことをちゃんと考えてくれてるんだなと実感した。
そしてチョコプレートには「いつもありがとう」とテイの字で書いてあった。

「ささ、先輩。早く蝋燭の火をふいてくださいな！」
「数は合ってると思うから！一気に吹いちゃえ！」
「せーのっ！」

ルコの合図で、僕はケーキの上に刺さってる蝋燭の火を一気に吹き消した。
というか・・・何本刺さってるんだよケーキが剣山みたいになってるし。
まぁ・・・蝋燭の数を指定したのもテイ達なんだろう。そのことも兼ねて僕は皆にお礼を言った。


「みんな、僕の誕生日覚えててくれてありがとう！これからもよろしくね！」

僕がそういうと、みんな「当たり前じゃない」と返してくれた。
今日は月が真上に昇る頃まで、皆でわいわい騒いでいた。
僕にとって、最高の誕生日だった。