2月の雪の日、私と彼は永遠の愛を誓った。
 離れていても、心は一緒…彼はそう言った。
 彼が遠い国に旅立ったのはそれから3日後の事だった。

 -あれから10年。

 彼はまだ帰って来ない。
 手紙も来ない。
 周りの者は私に他の男との結婚を勧めた。
 けれど、私は待つと決めたから…

 こんな私を人は愚かと嘲笑う。
 彼が帰って来る事などないと。
 けれど、私は待ち続ける。
 そう決めたから…

 今の私を動かしているのは愛。
 彼への、変わらない愛。
 だから、私は待つ事が出来る。
 誰に何を言われても…

 そして…

 6月の雨の日、彼は帰って来た。
 旅に出てから30年が経過していた。
 私も彼も年老いた。
 けれど、私の彼への愛は変わらない。

「お帰りなさい」

 ずっと言いたかった…けれど、言えなかった言葉。
 やっと言えた。
 愛する人に、この言葉を。

 私は今、凄く幸せ。
 愛する人が傍にいる。
 自分の選択が正しかった事が証明された。

 ありがとう、私の愛する人。
 貴方を信じて、本当に良かった。

イメージ:
私-MEIKOかルカ
彼-KAITOかがくぽ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

変わる姿、変わらぬ想い

 ある愛の軌跡を書いてみました。
 今までの話は暗かったり救いがなかったりするものが多かったのでこういう話は書いていて楽しかったです。
 1人の人を愛し続けるのはとても難しい事ですが、それが出来たらとても素晴らしい事だと思います。
 愛する事と信じる事について考えて頂けたら嬉しいです。

閲覧数:221

投稿日:2011/12/31 11:40:12

文字数:499文字

カテゴリ:その他

クリップボードにコピーしました