タグ「小説」のついた投稿作品一覧(3)
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教室中が、私の大好きなオレンジ色に染まっている。
校庭でボールを追いかけるサッカー部員の声が遠くに聞こえる。
もうこんな時間か、と私は一つの机に腰掛けながら溜息をついた。
斜め下に向けた視線の先には、レンがシャープペンシルをくるくると回しながら、相変わらず真っ白なプリントを前にしている。
「ねぇ...放課後(連鈴)
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朝練習に励む運動部、銀杏の並木道、眠そうな警備員、特にいつもと変わらない朝の風景だった。
まあ、何故だか駐車場の隅にロードローラーが置いてあることがいつもと違っていたけど、何処か工事でもあるのだろうとたいして気にもとめず、僕は職員室の自分のデスクに腰掛けた。
少なからず、今日の僕はいつもより緊張...転校生(連鈴+海)
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窓から見える景色は代わり映え無く、唯一見える郭の敷地内にある一本の桜の木だけが、春夏秋冬が巡っているのだと私に知らせています。
今は、寒い寒い冬。
桜の木は枝に一枚の葉も残さず、代わりに雪を積もらせて重たそうに頭を下げました。
先日、少しだけ郭の外を歩いたけれど、しんと冷えた空気の中に静かに雪が降り...鳥籠から羽ばたく日(海明)