ziuの投稿作品一覧

さざめくは終夜(よすがら)
枝垂れ桜の見ゆる夢泡沫(うたかた)
嫋(たお)やかにはんなり
恋の心はあさまし蝶結び
斯く斯く然々(かくかくしかじか)今は昔
芍薬牡丹百合の花と、乙女
櫛(くし)に流るる黒髪扇子で
隠した口元馨(かぐわ)しくて
やんや喝采今宵の夢は
戦(そよ)いだ風に戦のかほり...

水面で翳る月が
照り返しては零れる白露(はくろ)
手繰るその花に
甘い蜜は咲きもしない泡影(ほうえい)
宵月夜
いくら花弁と散っても
今宵見えるは愛(かな)しい逆さ星
籠の月　届きやしない　
指折り数える月は
ひとつふたつとただ三日月...

水草によく似た髪がゆらゆら
浮かぶ金魚は本当に
仲間たちなのかしら
再開、自動運転から
どろりとぬるいお湯
引きこまれて抗う
ほらひとりぼっち
その小さな世界が
濁るしめった水たまりが
ちっぽけな世界...

鐘が鳴る　幕が開く　乗り遅れたから　さようなら
ここにいると　[これは私]
気付かないの　[気付いてるの]　跪く嘘
白い髪も　[黒い髪も]
その瞳も　[笑みもすべて]
私の方が　頬は赤いわ
薬　指には　赤い唇の　約束事はめてる
こころには　ただ湖水　満ちる緩やかな　時の音に
瞼　閉じては　耳に残る蜜...

僕ら　彷徨う
ありふれた恋話
だれにも　知られず
ふたり消えてしまえたなら
欠片　補う
僕の指を絡めて
潤んだ　完璧
君よりなんて知らない
釣り合いのとれた
冷たい熱に...

そこからじゃなにも聞こえない
耳を澄ますけど
空の向こう側は
それほどにいいところでしょうか？
深く眠ればいいのですか
どんよりと曇り空
「あいしてる」の余韻で
ハロー！ 会いたいよ
ハロー！ 聞こえますか？
こんなにも曇り空...

あまい、あまい
恋の花園
微笑だけ散らして
向こうにかけていくの
Honey、撒きちらす
午後の日差しは涙色
もうすぐ空はかげると
枯れた花が一輪
濃度の高いその毒が
まあ！吸いこんで桃色...

あいしてる
本当かしら
つり合いは　とれないの
甘いのが好き
「キミ」なんて
大人ぶるけどね
地に足は　つかないの
どうしてかしら
かわいいお洋服とは
前にサヨナラしたの...

憧る（あくがる）貴女は花の貌（かんばせ）
いまだ春告げ鳥は狂い啼き
それは移ろいやすい花ごころ
いずれ桜の花は狂い咲き
鶯色　身に纏い
腰に刺すは　日本刀
貴女がため　その刃
迎え討つは　けものみち
落花　流水　戀と云う
想いを　交え...

錆びた鍵穴見つめる
首に古い鍵
しあわせなんて陳腐な言葉
鳥籠は甘い檻
空の魅力は
置き去りにして
永遠なんて小鳥は
翼なく謳う
空はもう広すぎて飛べない
砂糖菓子の足枷...

小鳥の
さえずりに
目が覚める
日曜日の朝
ほらすぐ
花柄の
ロマンチック
飾り付けなきゃ
遅れてしまう！
今日はどうして...