円面縁（えんもゆかり）

光を　しった　あなたは
同時に　影を　しった
まばたきごとに　おちる　涙は
まだ　透明だけど
痛みに　であう　あなたは
同時に　愛に　であう
まばたきごとに　変わる　世界に
色が　重なっていく
目を　とじないで
あるきつづけて...

《A》
浮かぶ　この葉が　虹を　なぞった
傘を　開いて
虹を　隠した
今の　僕には
彩が　多くて
《S》
雨に　濡れた　からだは
誰も　気にも　留めず
風に　揺れる　光を...

真っ赤な幕が上がり
私は　一人　歩く
真っ赤な服を纏い
私は　何処に　往くの？
優しく　微笑む　貴方は　誰？
く・る・り　目の前には回転木馬（メリー・ゴー・ランド）
ら・ら　懐かしく愉しげな輪舞曲（ロンド）
く・る・り　繰り返される旋律（メロディー）が
ら・ら　私の思い出と　今とを重ねる
其処からの...

ポケットサイズでも
想いは変わらない
ユビサキ一つで
ほら
あなたと繋ガルから
張り巡らされてる
蜘蛛の巣つまんで
ユビサキ絡めて
いま
あなたに触レル...

過去を　背負えば
旋律に　変わって
物語を　紡ぎはじめる
短すぎた　序奏に
儚い　詩(うた)を　乗せて
遠く　焦がれる　終止符に
口ずさむ　空寄(からよ)せの丘
夢を　契れば
旋律は　繋がり
物語を　紡ぎつづける...

互いに脚を
引っ張って
ふたりの心
ほどけてく
はなれてく
小さくなった
羽に祈った
夢見心地の
揚羽蝶
むすび方なら...

「オルゴールは唄う
誰一人居ない部屋で
オルゴールは唄う
誰一人知らぬ詩(うた)を」
てぃん らん たん
少年が造るのは
未(ま)だ名も無きオルゴール
てぃん らん たん
少年が紡ぐのは
噫(ああ)罪無き恋心...

月影 なぞった 二人の輪郭
草原に堕として 隣り合わせ
面影 かんじた 二人の漆黒
夏草に触れたら 巡り会わせ
二人で見上げた空をなぞり
君が無邪気に繋いだ
点と点は
お互いを知らない
そう
君の姿は...

《Ａメロ》
かえりみち
ひまつぶし
目的もなく
本屋に
ヒトリ
《Ｂメロ》
さっきまで
君と話していた花も
今は 僕の瞳の奥で……...

見ていたよ
噴水の端(はた)俯く花(きみ)を
見ていたよ
鳥籠の中俯く鳥(きみ)を
知ってたよ
宵闇の中俯く風(きみ)を
時の流れが気付かせる
恋のうたは独り言
囁くほどの叫び声
私もひとり聴いていた...

あれは朧月夜
貴女の優しさに気付いた夜
柔(やわ)く温く光る水面(みなも)
僕の乾いた心見透かす
あれは中秋月夜
貴女に一片(ひとひら)の陰りもなく
人が集い斎(いわ)う傍(そば)に
僕は咲かせた音も聞こえず
貴女がどれだけ輝いても
僕は何処にも映らない...

冬が嗤(わら)い
扉の開いた鳥籠の掌(なか)
私は俯いていた
春が咲(わら)い
扉の開いた教会の上
私は羽搏いていた
何も知らない私が 空を識ったのは
貴方が唄ってくれたから
静寂を慄(おそ)れるくせに
賑やかなのは苦手...

僕は何の為に生まれてきたの？
愛される為じゃないのなら
せめて貴女を
愛して居させて
鐘(ベル)の音が鳴り響く
噴水広場
水の音に誘われて
微笑む貴女
頬に中(あ)たる飛沫(しぶき)が
涙に見えるのは...