タグ「悲しい」のついた投稿作品一覧(10)
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【Aメロ】
花丸の答案用紙に 赤ペンの褒め言葉
手作りの金メダルを下げて
走った 真夏の空の下
満開の朝顔の観察日誌は
水をやるたび色鮮やかに
字がきれいねと頭を撫でられて
絵がうまいねって褒められて
【Bメロ】
向日葵のような伸びしろ...拝啓、何者にもなれなかった僕へ
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夕焼け空が今日も痛くて
明日になればなんて何度目の願い
しっかり者の烙印なんて
とうの昔に焼け落ちて
真面目なふりして動けぬ姿
涅槃のように転がってる
いっそ本当に死体になれば
何もしなくていいのにな
寝るのも食うのも面倒だ
代わりの薬でなんとか生きて...親愛だった貴方へ、六畳間の箱の中より
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空腹が満たされない
何を食べても満たされない
開いた穴に詰め込んだ
飯と菓子を吐き出して
味のしないガムを噛む
足りない感情を埋めるように
空っぽだと気づいたのは
いつだったか 随分昔だ
誰のせいでもないけれど
誰かを責めれば少し楽だった...empty
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幸せは打ち上げ花火のように
ぱっと咲いては消えていく
あとに残るのは星一つない
虚無に似た ただの暗闇だ
楽しかったねと笑い合った誰かも
咲き終わりには跡形もなく消えていく
何度失えば慣れるのだろう
鼻をつく火薬の残り香が
確かにそこにあったと教えてくれるのに
手を伸ばせば届くと思っていた...花火
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お前には期待してるって
叩かれた肩が痛んでも
拍手喝采 祝辞の歌
今更後戻りもできないし
信じてるも頑張れも
圧にしか思えなくて
都合の良い賛辞に
言葉だけならタダだもんな
「虫けら」「諦め」 そんな視線が嫌で
信じられたことも信じたこともなくて...化けの皮
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満たされないことに
名前をつけてみたって
心のがらんどうの中身は
埋められやしないよ
愛してほしいなんて
イタすぎて言えるはずもないが
死にたい心の隣人は
いつだって 惨めさ だった
「なに糞」と思えれば及第点
どうせ自分なんてと閉じこもって...がらんどう
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最期に想ったのは君のこと
届かず消えていった声のこと
幸せになりたかったけど
全てが全て過去形だ
追い抜かれた身長
言いすぎてしまった言葉も
今となっては思い出だ
笑っちゃうくらいの思い出だ
前向きってなんですか
普通ってなんですか...ばいばい
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嗚呼 嗚呼
君の声がもう聞こえない
嗚呼 嗚呼
何処に行けば
また君に逢えるのかな
揺らした鞄 あてもないまま
右往左往 津々浦々
想い出が有り過ぎて
空の色すら恨めしい
暑いあの日に買った氷菓を...寂寥
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理解って理解って
理解ってもらうことを諦めて
一人になって独りになって
僕の人間強度は上がった
戸惑いも衒いもなく
その場限りの縁を気休めに
優しくされることを期待しないほうが
優しくされるというのも変な話だ
抱きしめたかったのは僕自身で
僕自身がどうでもいいなら...かっこわらい
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感情が壊れたみたい
目の前に潰れた鳩の死体
どうやら僕は停まったみたい
なんだか世界がぼんやりと
動いてるような滲むような
空が青いって言われなくちゃ
気づけないような年月(としつき)を
何回も繰り返して
足元しか見られなくて
どうにもならないことばかり...apathy