幸せは打ち上げ花火のように
ぱっと咲いては消えていく
あとに残るのは星一つない
虚無に似た ただの暗闇だ

楽しかったねと笑い合った誰かも
咲き終わりには跡形もなく消えていく
何度失えば慣れるのだろう
鼻をつく火薬の残り香が
確かにそこにあったと教えてくれるのに

手を伸ばせば届くと思っていた
そんな無邪気さはとうに消えた
みんな離れるときはいつも決まって
「またね」と小さく手を振るのだ
「好きだったよ」と笑ってみせるのだ


嫌いになったわけではないんだと
僕の肩を抱いて微笑んだ
今では遠い君を思い出す

続きの言葉はいつだって
「だけど」と繋がる別れの言葉


どこで間違えたのかなと
気づくときはいつも祭りの後だ
終わるまでの道を辿って
悔やんで悔やんで次こそはと

誓ったところで次はない
君と迎える明日はもう来ない



もしもまた花火が咲くなら
それを閉幕の合図にしようか
名残惜しいくらいがちょうどいい
笑って笑って消えるのは
次は君ではなく僕でありたい


愛されたかっただけなんだ
火薬の残り香が鼻につく
祭りの後の幸せの残滓
焼けるように熱い目頭


咲いた花に照らされた
君の横顔は本当に綺麗で
ずっとそばにいたかった

ずっとそばにいたかった




「またね」


君の真似をする

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

花火

幸せというのは
あっという間に消え行くものです。
私はどうやら人付き合いが苦手なようで
「嫌いになったわけじゃない」と
昔仲が良いと思っていた同僚に、
困ったように絶縁を告げられました。
そんなことを思い出しながら書きました。

閲覧数:113

投稿日:2022/09/30 22:26:24

文字数:556文字

カテゴリ:歌詞

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