タグ「亜種」のついた投稿作品一覧(10)
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マスターは自室に籠もることが多くなった。時折ナイトや隊長を呼びつけて何か指示を出している様子はあったが、自分では何もしていない。まるで嵐の前の静けさだ。
カイコは整備室であったマスターとの会話を誰にも言う事ができずにいた。あのアカイトにさえカイコは真実を告げる事はなかった。
誰もが不信感の種を抱...合成亜種ボーカロイド8
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合成亜種ボーカロイド資料2.アカイト
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合成亜種ボーカロイド資料1.カイコ
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マスターは自室に籠もったままついにその日、みんなの前に姿を現すことは無かった。
夜が明けて、朝食前。ナイトがマスターの朝食を用意している隙にタイトがマスターの部屋を訪ねた。
「マスター、すみません。また失敗して…整備お願いできますか?」
タイトはわざと自分の音声調整部をすぐ直せる程度に破壊して...合成亜種ボーカロイド7
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悪魔の囁きが心の隙間に入り込み、間の悪さは更に不信感を煽る。
悪い事は重なるのだ。そして連鎖し、伝染する。どんなに振り払おうと、こればかりはまるで病魔のようにしつこくてなかなか治すことができない。
「ただいまかえりました」
「おかえり、カイ…コ…?」
カイコの声がして珍しくマスターが自分のボー...合成亜種ボーカロイド6
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アカイトがカイコを連れて明るい街中を歩く。非常に平和な景色である。
マスターなしに自由に遊び歩くボーカロイドなど殆ど居ない。何故なら大抵財布はマスターが持っているからだ。しかしこの家庭は珍しく、個々に財布を所持している。基本的に自由な家庭だった。各々好みが違うから欲しい物は自分で勝手に用意しろと...合成亜種ボーカロイド5
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カイコがマスターの家に来て数日が経った。マスターはカイコを女扱いしていたがそれを除けば十分愛情を注いでくれたし、好物のアイスも沢山ご馳走してくれた。カイコにとってそれなりに良い環境だった。ただ一つ、カイコが気になっていたのはある仲間の視線である。それはいつもどこか怪我をしているミイラ男、タイトの視...
合成亜種ボーカロイド4
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カイコがカイコになってから初めての朝。亜種達はそれぞれ個性的だった。見た目も中身も。
「おはようございます、カイコ。昨日は良く眠れましたか?」
紳士的なナイトが軽く会釈してカイコに話しかけた。
「お、おはようございます。お陰様で良く眠れましたよ」
カイコは元が男だからか、この紳士的な男の振る舞...合成亜種ボーカロイド3
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目を覚ました新入りカイトが違和感に気付いたのは起き上がった時である。妙に体が重くてだるい。まるで自分の物ではないかのようだと感じた。
ベッドから降りて立ち上がると違和感は明確に現れた。
「あれ?どうして…?!」
部屋はあの機械だらけの恐怖の部屋ではなく、最初に見た少し散らかった極ありふれたマス...合成亜種ボーカロイド2
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三次元ボーカロイド。所謂『感情を持った歌うロボット』である。近年この三次元ボーカロイドがブームとなっている。
量産されたボーカロイド達は飽和状態となり、人々は新品ばかり求める傍ら飽きて途中で捨ててしまったり、売りに出すケースも珍しくはなかった。売られて中古として再販されるボーカロイド達は新品を欲...合成亜種ボーカロイド