タグ:機動歌姫VOCALION
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―――――――――― #4
整備棟のハンガーで、鏡音レンはLat式ミクのコクピットで出撃前の調整をしていた。下から整備隊長が注意を叫んでいる。
「いいか大佐ー。インターフェイスはちびミクと同じだから操縦は出来るだろうが、エンジンのリミッターはマニュアルでないと切り替えられないから気をつけろ」
...機動攻響兵「VOCALOID」 3章#4
九十九折坂の狐
――――――――――#3
1時間半後。議題は各部隊の配置と状況終了までの防衛シフトになっていた。旅団がほぼ総動員という作戦規模なので、簡易に連絡を取りながら旅団本部でシフト体勢を整えていくという方向でまとまった。
「やはり「VOCALOID」に入り込まれると、つらいな」
亞北ネルが将官達の前で...機動攻響兵「VOCALOID」 3章#3
九十九折坂の狐
エルメルト攻響旅団基地司令室。普段はだだっ広い室内で初音ミクが嫌々仕事しているだけの、あからさまな建物の無駄遣いとしか思えない光景があるだけの場所である。
ネギを生やしてはネルに怒られ、ネギを収穫してはハクに説教されるという醜態も演じた。
この司令室が今、第7機動攻響旅団始まって以来の、ちゃん...機動攻響兵「VOCALOID」 3章#2
九十九折坂の狐
――――――――――#1
ちょっと前に、ちょっとした戦争があった。
今では「メディソフィスティア僭主討伐戦争」と呼ばれる、歴史上は変哲の無い、ただの覇権争いである。
前の時代区分では英雄だった文明が、血みどろの革命の結末で暴君として倒される、良くある話だった。
けれども、やはり歴史上良くある...機動攻響兵「VOCALOID」 3章#1
九十九折坂の狐
HATUNEMIKU――――――――――STAR of ROUND.
「おっと。あいつにしてはマシなグレートコードを使ったな」
初音ミクが、衛星軌道上からの増援を牽制するコードを使った。ネルとしては、本当はそれをハクにやってもらって、ミクは後詰としてコードを保留してもらいたかったのだが。
「...機動攻響兵「VOCALOID」 2章#5 /2章fin
九十九折坂の狐
――――――――――
夜が白む。食いさしのサンドウィッチを齧り、車道の真ん中で目指す街の方角を見ていた。
「蒼音の奴、どういう指示をしたんだ」
重音テトはエルグラスで「VOCALION」を失ってから、敵の捜索を掻い潜って脱出路を探していた。
エルグラスは比較的前線に近く、奇襲としてはそこそこ...機動攻響兵「VOCALOID」 2章#2
九十九折坂の狐
ガチャリ。
「はいはいはい……失礼しますよっと。お、嬢ちゃんここにいたのか」
「源ノ元(みなのもと)! 司令室だぞ! ノックぐらいせんか!」
「いいじゃねえか別に、俺らの後輩に遠慮するも何もないだろうが」
小隊長と整備長が何か話し合ってる。
けど、私には聞いている余裕がなくて。
「おい。嬢ち...高次情報電詩戦記VOCALION #7
クラスタード
「生きとるやんーーッ!!」
ドッカンガラガラガシャーン!
リアーシェが耐え切れなくなったらしく病室の中に飛び出す。
「やかましいぞ柴田! 病室で暴れるんじゃない!」
「最悪や! 最っ悪やんっもうっ!」
「あは……あはは……はぁぁ……」
「このおっさん……やるな」
「……これだから大人は」...高次情報電詩戦記VOCALION #6
クラスタード
『敵がみんな退いていくよっ!?』
『だーっはっはっはぁ! おととい来やがれってんだ!』
「はあっ、はあっ、はあっ……」
『アル姉! アル姉、大丈夫?』
『いやー、お見事さんやったでアルル!』
「うくっ、はあっ、はあっ……アルルって、呼ばないでよ……」
勝った? 勝ったの?
リアーシェに機...高次情報電詩戦記VOCALION #5
クラスタード
ドドドンッッ!
あたしは。
覚悟していたと、思うよ。うん。
だから。
「――――!!」
目の前に迫ってきたミンクスをあたしごと。
爆発させてやろうと思っていたんだけど。
「――敵はっ!?」
レーダーをすぐに確認する。
これで全部なくなってしまうんだと、思って撃った主砲だけど、全然あさっての方向に...高次情報電詩戦記VOCALION #4
クラスタード
「あれが……!」
坂の一番高い場所から島の北東方向を見てみると、グレー色のミンクス5体が見事な編隊飛行で近づいてくる。
整然としたフォトンライドの白光を曳きながら、真一文字に飛ぶさきに――敵のVOC数体に包囲されかけているリアーシェがいる!
『止まれぇぇぇぇ!!』
ズガガガガガ――!!
その進路...高次情報電詩戦記VOCALION #3
クラスタード
だから、泣いてしまって……。
――シッズシッズシッ!
(っ!?)
足音がする!
『……どうだ?』
『いや、居ないようだ』
『おかしい……基地には12体のVCOが配備されているとあった』
探してる……!
『4体は南に陽動できている、残り7体は拿捕済みだ』
『あと1体……もっと念入りに探せ。...高次情報電詩戦記VOCALION #2
クラスタード
パタ…パタタ…パタパタ……
雨の音。
パタリ…パタ…パタタ…
雨の音、雨の音……雨の音?
「……ひっ…く……ぐすっ」
雨の音? 涙の音?
「こんなのは…ちが……違う…うっく……」
涙。涙。涙。
涙は……嫌いだ。
パタッ…パタパタパタ、サアァー...高次情報電詩戦記VOCALION #1
クラスタード