九条 わたの投稿作品一覧

眠れない午前二時
秒針が鳴り響く
未開封のメールと
空っぽの郵便受け
暖かい思い出に
潜り込み目を閉じる
吐き出した溜め息は
５℃の空気に溶ける
憧れていたあの子に
僕はいつからか嫌われてた...

何だか気持ち乗らないなぁ
少し休憩しようかなぁ
でも一人とか嫌だよなぁ
誰か慰めてほしいな
そういえば昨日、
腕を切って見たんだ
君の心配そうなその声を
一秒でも長く独占できるように
「とっても鬱」
その言葉だけで...

とっても醜い生き物です
見た目も性格もダメダメです
好いてくれる人もいるけれど
嫌ってくる人のが気になります
荒縄片手に微笑みます
もやい結びして吊り下げます
後は踏み台を蹴るだけです
思い残す事などありません
片手でお手軽狂言自殺
ほんとは死ぬ気はさらさらないの...

教室の隅
あくびして
つまらない毎日に
さよならをして立ち上がる
そんな夢を見ていた
ずれた眼鏡を押し上げて今日も
いつもの調子で
誰かと誰か
二人の恋のキューピッドになろう
「これはこれはお嬢さん、恋のお悩みですか？...

冗談でやった犯罪
82310回
次の一回のその前に
苦しむ君を見つけた
「もしも」の話だが
たくさんの神様の手で
僕らの思考、行動、全て
操られてたとしよう
それなら神様に
「ありがとう」を言わなきゃいけない...

数多の糸が紡ぎ出された
歴史の中で人は笑い
あらゆる悲しみ乗り越えてまた
立ち上がっては生き抜いてきた
笑うも泣くも人間だから
悔いること嘆くことも
驚くことも恐れることも
それが己と言い張るのなら
乱れきった此の世界の中
救いを与えるその左手を...

君が目を開けてしまう
その二秒前に僕は居る
髪の毛弄りながら
暇の潰し方探してる
欠伸しながら見上げた
空は面白いほど快晴で
名前の無い此の色に
全て溶け込まれそうになる
指切リ拳万
遠く遠く響く鐘の音が...

小さい時憧れた
我慢強い人に
何と今
漸くなることができたらしい
だけどもう何だか
想像と違うんだ
我慢した分だけ
返るはずの報いがない
届かない場所に居るくせに
その手を伸ばし微笑むのが...

「外に出せずに溜めた本音が
　今にも僕を蝕むみたいだ」
君はそういうと苦笑いをして
傘も差さずに土砂降りの中へ
現実から逃げ出すように
首を絞めて　手首を切って
泣くことも忘れたまま
愛されたいとかほざく前に
独りで行けよ　理解求めんな
本音なんてものは　ほら...

そこで見たものは　ありふれたもので
届かない声　僕は泣いてたよ
思い出すたびに　悔やんでばかりで
引き返せない事はわかるのに
あの日の僕にまだ　明るい未来があるなら
真実よりも　そう　幸せを知って欲しいから
幾重にも重なる　運命から逃げ出したら
その先にはね　ほら　後悔なんてもう無いはずだから
此の...

重い九華帳の向こうに
浮かぶ人影　ゆらりゆらる
名前を呼ぼうとしてみても
思い出せなくて　ふらりふれる
枯れ果てて出ない泣き声を
搾り出して泣いた夜は
度重なる痛み、苦しみに
紛れて遠くに消えていった
此の瞳に映る物が
信じられるうちにその顔を見せてよ...