kanpyoの投稿作品一覧
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アラビアの夜
骨董屋の女主であるルカは口元に人差し指を立てて静かに語った。
「……ここだけの話よ。このコーヒーカップにはイワクがあって―――」
客は彼女一人、寒風が窓を揺らす中でルカは物騒な話を始めた。
メイコにしてみればこれから話す内容次第で目の前にある年代物のコーヒーカップを買うかどうかを吟...メイコちゃんカフェ 『アラビアの夜』
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カイト君バー 番外編『雪と氷』
とある雪国の―――
とある街の―――
小さなバーを営むカイトの
とある日常です。
北の街は白いシーツがふわりと被さる様な雪が降り、例年より少しだけ早目の冬を迎えていた。
柔らかな新雪は踏むと心地よさそうだが油断は出来ない。何故なら冷え込んだ夜に雪は、その下に鏡の様...カイトくんバー 番外編の番外編『粉雪と氷』
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コラボ用・練習曲
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コラボ曲1
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SNOW NOTE ユキノオト
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ピアノの精霊 SNOW NOTE (雪の音符)
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レトロなルカさん
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クミは今、同人誌参加コミュニティー、略してDO・SAN・COの会場にいる。
正確に言えば、会場のさらに奥にある控え室。特別控室に連れ出されたのだ。
この控え室は運営関係者と、特別な女性ゲストしか利用できない。
特別ゲストとは何か? それは女性コスプレイヤーの着替え、又はメイク室なのである。このDO・...ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー7
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2009年の8月の中頃。栗布頓高校美術部の面々は、バスで40分揺られ、旭川市バスターミナルに着き、そこから市街中央を縦断する歩行者天国を徒歩で25分。70年代の匂いを残す、レトロな4階立ての建物が彼らの目指す”旭川ふれんず会館”である。
しかし、何となく気がついてはいたのだが、彼等が歩くのと歩を同じ...ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー6
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授業が終わり、クミはいそいそとカバンに教科書やノートを詰め込んでいた。
放課後は美術部で部活動がある。夏休みに行われる同人誌即売会DO・SAN・COに配布する為の作品作りが佳境に入り、部員達、特にイラストを受け持つクミは大忙しだった。実際には日数にまだ余裕があるのだが、期末試験などが控えている為、ス...ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー5
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1週間前、俺氏―――リンの祖父は突然倒れ、緊急入院した。
意識不明の重態だったが、昨日、わずかな時間であるが意識を取り戻し、かけつけた家族と、長年の友人である書生とヤンスを一時、喜ばせた。
そして俺氏はたどたどしい言葉でこう言ったのだ。
「ふふっ・・・クミ、お前の初音ミクが・・・もう一度見たい」
側...ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー4
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その後も幾度も再生し、更に書生とヤンスが互いに競いあって自分の知っている曲の動画を再生しあい、気がつけばカーテンが必要ない程に外は暗くなっていた。
「あ・・・もうこんな時間! ごめんなさい。門限があるんです」
女子生徒は携帯電話で時間を知ると、教室から出よううとした去り際。
「あ・・・あのう」
3人...ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー3
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50年前、2009年。
北海道の中核都市である旭川市。そこをやや南下した所に栗布頓町(くりふとん)という小さな町がある。炭鉱で栄えた時期もあったのだが、近代化に伴い石炭の需要は激減し廃坑となった。基幹産業が失われ、人口は十分の一程にまで減る。
それでも3000人の人口を残し、更に近隣に高校が無い為に...ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー2
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リンはその光景をじっと後ろから見守っていた。そして、ぽつりとつぶやく。
「ま、マジかよ・・・」
化粧台の前には、見事なアーモンドグリーンをツインテールに結わえた美少女の後姿あった。グリーンの髪はもちろんカツラだ。
顔にはファンデーションを重ねて塗り陰影をつけ、アイラインを太く強調するペンシル裁きはな...ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー1
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VM-1 緊急ミーティングの巻その③
登場人物紹介
初音ミク: 言わずと知れたボカロクィーン。漫才コンビ『ねぎめしMサイズ』ではツッコミ担当。お胸のサイズを相方によくいじられる。
米山マイ: まだマイナーだけど頑張るUTAU。『ねぎめしMサイズ』ではボケを担当。しかしあまりに無邪気で粘質なボケ...VM-1 緊急ミーティング③
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回想列車【巡音ルカV4】
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【UTAU】fairy of weather ~雲の妖精~【米山マイ】
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回想列車
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ネギとご飯と僕たちと
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男子トイレの個室でレンはガタガタと一人、震えていた。
これから全校生徒の前で生徒会長立候補するグミの応援演説をしなければならないからだ。
自分が失敗して上手くできなければグミやミキ、リリィに迷惑かけてしまう。そう思うと、レンの体の震えが止まらない。
陽気で無邪気なレンなのだが、それはリンという存在が...青い草 第10話E
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前回の続きです。
VM-1に参加するミクと米山マイ、そして関係者3人の会話コントです。
しょーもない内容ですのであしからず。
登場人物
・ミク 言わずとしれたボカロクィーン。ツッコミ担当
・マイ がんばるマイナーなUTAU。ボケ担当。現在ノーパンらしい。
・アッツ シナリオ担当。鉄ネタが好き。キ...VM-1 緊急ミーティングの巻②
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大粒の雨粒がぼたぼたとアスファルトに水玉模様の染みを作り出すと
それはどんどん増殖し、地面をすっかり黒く染めていった。
体育館の屋根は雨音で連打するスネアドラムのように激しく打ち鳴らされて、どんよりとして湿った空気が室内を支配する。
そんな中、メイコたち生徒会メンバーは本日行われる
新生徒会選挙の準...青い草 第10話D
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図書館の騎士シリーズ新章。
回想話で
カイトとリンの初めての出会い。
そして、次の冒険へ。
頼りない騎士と、超強いお姫様の御伽話。
カイトが初めてミラー家に来たのは一年前。
古く小振りではあるがしっかりとした木造の三階建ての屋敷で
蔓草絡まるその風体はこの森に溶け込んだけの時間を示していた。
風通し...図書館の騎士 歌う海1
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リンのカップに紅茶を注ぎながらカイトは言った。
「しかし……昨日の魔法の力には正直、驚きました」
「……」
リンは黙って注がれた紅茶の香りを楽しむ。
「電撃爆破という魔法があれほどの威力とは。
何せあの硬い地面が爆発して、木が真っ二つに……」
その会話を聞きながらレンはニコリと笑った。
「おばあちゃ...図書館の騎士 7
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暗い森。
アルの他、三人の兵士が剣を片手に、もう片方に松明を掲げ
その古の巨人を姿を浮かばせていた。
残り三人はアルと供に長槍で巨人の歩みを牽制している。
「リン様、もう二名、奴にやられました!」
アルはリンに現在の状況を伝えた。
巨大な斧の打ち込みを剣で受けて
その衝撃のみで兵士達は弾かれたのだろ...図書館の騎士 6
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リンを抱き寄せたまま不死の王はカイトの方を向く。
《そこの人間よ。先程は脅かせてすまなんだな……》
「い、いいえ……。たいした事では……いや、確かに恐ろしかったです」
《リンやルカのように特殊な人間はともかく、普通の”人”と接触するのは
100年ぶりである。密に国王や元老院とは接触はしていたがな。
...図書館の騎士 5
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夜、泳いで
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ミク 「ミクでーす」
マイ 「マイでーす」
二人 「二人合わせて―――」
かんぴ「かんぴょうおじさんとネギメシMサイズだよ☆」
ミク 「……え」
かんぴ「ふむ……何だ?冷めてゆくこの空気感は」
マイ 「かんぴょうおじさん、私達のコント邪魔しないで!」
かんぴ「ふむ……正直、傷つくね、女の子にマジで怒...VM-1 緊急ミーティングの巻①
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窓の外に浮かぶ月は満月になる数段階手前。
その形に名前があるのだろうか?
ほんの少し足りない月を何で満たせば気持ちの良い真円になるのだろうか? リンが一生懸命話してる最中なのは分かっていたが、ミクはそんな事をぼんやり考えていた。
「―――原稿も用意できましたし、選挙活動の段取りも打ち合わせ済みですし...青い草 第10話C
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凍て付くような恐怖。
来賓客や使用人たちは声も出せずに怯えていた。
骸骨の兵士達は更にホールに歩み寄より
アルやその部下達が剣を構えてその間合いを計る。
アルは目線だけでリンを探すが、その姿は来賓客に隠れて見えない。
腰を抜かし尻を床に落す紳士もいれば
連れ添いの女性を必死にかばう者もいる。
リンは...図書館の騎士 4