タグ「初音ミク」のついた投稿作品一覧(16)
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両目で見る世界は 完全で
片目で見る世界は 不完全
当たり前のこと
色も音も感触も
全部ぼやっとしてて
片目の世界で生きてる
僕にとっては当たり前で
「固いもの」も
「柔らかい」と
離れてく 人たち...片目の世界
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――ここから堕ちましょうよ。
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ざわざわとうるさい駅のホーム、そこに「彼女」は居た。
今日、自分と落ちるはずの少女と会うために。
鮮やかなピンク色は、スーツの黒の中で否応なしに目立つ。
人を惹きつけるような美しさを持つその女性は、バックから携帯を取り出しいじる。
その口元...ワールズエンド・ダンスホール<2>
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教えてダアリン ダアリン ねえダアリン
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双子はいつも「一緒」だった。
着る服も、食べるものも、外見も果ては身長から学力まで―
全てが同じ。まるで鏡に映したかのように。
そして、彼女等もまた自分達はいつまでも離れないと信じていた。
―わたしたちはいつもいっしょ。いっしょじゃない...リンネ/自己解釈≪1≫
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「く、殺」
「早、し」
「こ、な」
「ろ―――」
「早く、殺してしまいなさい!」
私は、その聞き慣れた声にハッと現実に引き戻された。
それは、私を引き取ってくれた―今ではただ指示を下すだけのフェアリーゴットマザーだった。
囁く……あの声が。
それは今の私を底なし沼へと引きずり込んでいくには十分な威圧...サンドリヨン 其の参
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ホップステップで踊ろうか。
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――今日は授業を抜け出してきた。
開け放たれた窓からは相変わらず夏を感じさせる暑い日ざしが差し込み、階段を一心に見つめる少女の首に突き刺さる。しかし、少女はそんな事気にしても居ないようだった。
生暖かい風が入ってきて、髪を揺らす。
近くにある教室...ワールズエンド・ダンスホール <1>
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―一歩城へ入れば、そこはキラキラと眩しかった。
数億はかかっているであろう、城の豪華な内装。さすが王子の主催の舞踏会の場だけある。天上から釣り下がるシャンデリアは、全面が大理石で出来た床に光が反射して、より輝いて見えた。壁や様々な所に格調高い絵画や、名の知れた有名な彫刻家のフロンズ像が置かれ、螺旋階...サンドリヨン 其の弐
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―私は、孤児だった。
いつ死んでもおかしくない生活。
冬だろうがボロボロの薄着、町の人々からは「汚い」と罵られ、ろくな仕事も見付からない。
でも、そんな私を救ってくれたのは―……
「おいで。私が救ってあげる」
―仙女(フェアリーゴットマザー)だった。
*
それから数年後、私は16歳になった。...サンドリヨン 其の壱
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私は、もう一度外へと出た。
雨は相変わらず道路を、木々を濡らす。
私は、立てかけていた傘を手に、街に紛れた。紛れれば、自分への視線は、学校みたいに向けられない。それがどこか安心できて。
私は待ち行く人の影を追いかける。傘を差して悠長に歩く人も居れば、学生鞄を頭に乗せて走る人、雨宿りをする人もいる。
...鎖の少女 3(最終話)
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ザー。
まるでラジオの雑音の様な雨の音が、外で響いている。
大分激しい雨らしい。窓に雨滴が叩き付けて、ポツポツと特有の音を鳴らしている。
それはまるで、私の心の中のようで。
今、両親は居ない。といっても、仕事が忙しかったりして小さな頃から殆ど家にはいないのだけれど。今日は偶然仕事が忙しかっただけだろ...鎖の少女 2
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もう、何もかも嫌になる前に……
ホントノ愛ヲクダサ……
「ほんと、初音さんってすごいよねー」
期待しないでよ。
美化しないでよ。
私はそんな人間じゃないのに。
だれも本当の「私」を見てくれる人が、いない。
「そんな事、ないよ……」
私は演技するので必死なの……
苦しくて辛い。...鎖の少女 1
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数メートルも先まで咲き誇る赤の花
薄れ行く意識の中見つめた景色
「ああ、とても綺麗だわ」
視点が回転して
空は混ざって
薄く微笑んで
最後の言葉
「さようなら世界」
あたり一面真っ白く
覆われた何かで...氷片
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――行かなくちゃ。
そんな事……分かってる。
ずっと目で追っていたもの。ハズレクジを引いてしまう様な事でもついつい手助けしちゃうくらい、キミが優しい事も知ってる。
だから…
「……この手を離してよ」
私はキミと繋がれている右手を見て、震える声で呟いた。それが彼に伝播しているかは分からないけど。
大好...初めての恋が終わる時 *3
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イルミネーションの光る駅へと続く大通り。
サラリーマンや色々な人が行き交う。そんな中で歩いていると、自分が紛れたように感じて、何か心地いい。
ふと、私の横を寄り添う男女が通り過ぎていった。とても楽しそう。
クリスマスも近いとあって、街は若者の天下。様々なカップルが寄り添い合っている。
……私ももしこ...初めての恋が終わる時 *2
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初めてのキスは、涙の味がした――……。
頬から伝う涙が、私の初めてのキスを悲しく苦い思い出へと変えてしまう。
まるでドラマみたいな恋。儚く散った恋。
私達が別れるのを見計らったように、ホームに発車のベルが鳴り響いた。
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家の玄関でローファーを履いて外へ出ると、冷たい...初めての恋が終わる時 *1
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女王の言う事を、国民は何でも聞いた。
舞いを見たいといえば、国中から一流の踊り子が集まり、女王の前で舞った。
笑えといえば笑った。
殺せといえば―……簡単に殺した。
女王の言うことは、絶対遵守。いつのまにか、国はおかしくなり始めていた。
『コイツもダメか』
小さな夢は、小さく舌打ちをした。
* * ...人柱アリス *3番目アリス
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「さあ。私を楽しませて」
A
不気味な死人(こうもり)の 笑い声
赤い沼に落ちて また生まれる
さあ私を 楽しませてよ
狂気(すてき)なワルツを踊りましょ
B
カラカラ騒ぐ 地獄の不寝番
舞うのは 悪魔や大罪人
さあ 宴の始まりだ...死者の国へようこそ!