寺保の投稿作品一覧
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砂を灼き尽くす陽は
きっと何もかも隠して
眩む反照の熱
痛い、痛いよと夏が泣いている
捨てた昨日 拾う今日
意気地無しなんて嘲笑ってるんだろう?
ねぇ、どうして どうしてさ
声を枯らしてたのに
応えてはくれないの
セカイはまるで陽炎...陽炎
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沈む陽は金の結び目
打ち寄せた想い撫ぜるような
風が消えた静寂(しじま)は
降り積もる時を抱(いだ)いている
郷愁の丘に碑の影
名も知らぬ花は誰を待つの
標せ 遠き歌声
地平へと還る祈りとなる
形あるものは朽ち逝く
涙さえ乾く孤独の中...relic
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「泣かないで」は言わないよ
「わかるよ」なんて言えないよ
「だいじょうぶ」は言い訳だ
隠し切れない傷の
あぁ、こみあげる
蒼の気配に
取り残された 僕らの声
しらんぷりしてただけ
寂しいとか(あぁ)悲しいとか
痛くない そんな訳ない...雨上がりの蒼空を私は待っている
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路地裏 野良猫鳴いて
ゴミ箱散かり放題
ねぇキミたち、山田さんちは
どこだかしらないかな?
夕暮れ カラスの群れで
電線 重量オーバー
ねぇキミたち、ボクが来たのは
左で合ってるかな?
かなりやばい かなりやばい かなりやばい
この歳で...こんくりーと らびりんす
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月が見えてた。
そんなことだけ憶えている
潮騒にゆらめく君の横顔が
あまりに遠くを見ていたから
旅立ちの舟はエーテルの海へ
大切な想い探しに
真夜中の秘密。
硝子でできた羅針盤と
空を掻いた指の小さな傷跡
それでも昴は落ちないから...銀河の舟
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光、ほどけてゆく 夜の境目には
海のにおいがした 君とおんなじに。
メランコリーなラジオの声 色褪せていく街の影
溺れるように息を継いだ 僕は生きているのかな?
ああ、星のない海を泳いで行く魚たち 尾ひれ揺らして
今、東へと朝を迎えに行く 鮮やかな季節のために
もしも、あの日のように 君が泣いてるな...星のない海を泳ぐ魚は、
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重なり合う真円は 水面に溶けてゆく
泣きたいほど柔らかな 風に抱かれて
息を奪う思い出に呪いをかけられて
両足を投げ出した 光が怖くて
寂しさは氷のように 孤独は銀のナイフ
差し出された温もり 望んでもいいでしょうか?
片翼では飛べないの 空色の羽でも
触れてほしい 貴方だけに
私の傷跡に
瞳を閉じ...比翼の約束
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砂を舞い上げる 荒漠の彼方に
キミは立ち上がる 恐れなど知らないまま
感情も 心臓も 共有はできないけど
痛みを知ることはできると信じていたのにな
サヨナラをひとつ 乾く心揺らして
夜明けとともに
ボクはキミに殺してほしい
絶望の前に 死んでしまう前に
笑顔のままで
ボクはキミの双眸に射抜かれたい...bullet
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言の葉の残像だけ 夕闇に未だ白く
薄氷の散る刹那に 触れた手は冷たくて
滲む静は杳々と 月影に凪ぐ
痛いほどに想いを絞めつけて
密やかにあなたの頬に触れる一片は
いつか気付かないまま落ちてしまうから
衣更着の寒空に 傘を、傘をどうか
あゝ 春があなたを あゝ 独り泣かせてしまう前に
藍色に揺蕩う灯に...氷雪融け雨水温む
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音のない光が満ちる窓
銀色の足跡を残して
おはよう のキスはきみとの約束でした
新しい朝 真白い呼吸を
指の先までも満たして
さめるほど 淡い夢が 雪の雫にこぼれる
どうして、なんてね 胸の奥にしまって
溶けて消えるのならば はじめから眠っていたのに
いつかの声 きみの微笑みに
他愛無い日々をうたっ...待雪草の朝
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息を潜めた夜の底
星の気配を待ってる
背中合わせの透明な自分と
打ち解けられないまま
膝を抱えて悴む
眠る瞬間が怖くて
境界線を探す セカイと僕との
脆くて小さな刻
輝く流星たちの一筋の詩が響く ペルセウス
優しくなんかしないで 心脱がさないで...ペルセウス
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あゝ いつの間にか 夢過ぎ去りて
泣き声も上げずに震えてた
春の稚き日
花筏の道しるべ 渡る歌声乗せて
きみの肩を抱きに行くよ
桜色に芽吹くように
並木道の風に振り向く面影
仄めく眼差しに手を伸ばす
ああいつのまにか
ゆめすぎさりて...花筏
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もう準備はいいのかい? 日々の崖っぷちから
9.8の加速度 風を突き抜けてく
もう全部を捨てたかい? 君の右足から
叫ぶ歌のテンポで アイザックが逃げ出す
自転する夢に君の声聴かせて
翻る世界 僕は空に落ちた
悪戯な現実に悩むなんて馬鹿だよね
どうせ忘れられる サヨナラと手を振って
踏み出した重力を...G
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曇天を背負え 空色の小鳥
うそつきのために 歌っておくれ
足枷をつけて もがいてる聲は
震えてはならぬ 叫んでもならぬ
撥条を巻いて 諧謔調の哀歌
開幕のベルは がらんどうな街に
壊れかけのステージで
黒と白の玉乗りを
独りきりのサーカスは
仮面つけたピエロ...ピエロの涙
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the last of song was lost
(最後までは歌えなかった)
cuz heart was broken first
(心臓が壊れていたんだ)
she wound up spring, even so
(それでも薇を巻いて)
promise was fulfilled...
(彼女は...機巧唄姫と最期の唄を
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輪廻、そこへたどり着けたなら
la sansaro,se ni iros tien
(ら サンさロ ・ せ に いロス てぃエン)
再び友とめぐりあう
la amino revidos amikoj
(ら アみノ ・ レう゛ぃドス アみコィ)
祈りを歌い継がん
ne forgesu pregkant...samsara (por Esperanto)
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桜色の頬に 口付を
夢か現か朱の格子に
透かし見るは夜半の月
しに来るは伽羅染に
飽いた者が良い
落ちざるは無しと憂いてから
長いわ
遊びまわる鵺は遠く彼岸に啼いた
古雅の罪を嗤う地獄の遊女
打掛は餓者髑髏...地獄太夫
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Vivo de la rado
深閑より生まれし
旅路照らす導き
讃えよ灯を
救いよあれと
重ね歌う声は
大地を潤す雨
誘い集う森は
我等還る場所
共に踊る者は...sansaro
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青く夕去りの空 尾を引く流星
鐘が告げていたのは 追憶の終焉
揺り籠の雨粒に溺れて
アナタの引く手に縋りつく遠い夏の日
降り落ち積もる瞬きのひとつひとつがボクを
カタルシスへと誘う アナタをも消すように
黄金色に波打つ 草原見下ろし
撫ぜる風に乗せよう 果たされぬ約束
箱庭の蝶たちが羽搏き
アナタへ...星降る草原
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カラスが飛んでゆく 我楽多の街中には
ちっぽけな人間が群れる
目の前を横切る 黒猫の気分で
傷つけたものを知らぬまま
誰かが言っていた 嘘吐きたちの朝にも
太陽は東から昇る
それこそ嘘だ、って叫べない僕らの
逃げ道はいつも工事中
棄てられ慣れた昨日が街路樹の枝に絡まり
明日への滑走路は此方。と靡いた...屋上にて(仮)
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遷ろう水面の影
深淵から芽吹き始める
長い旅の始まりにはやさしいキスを
ガラスの心臓には
夜鷹の啼く祈りが刺さる
忘れられた挟間から永久へ光問うて
星が墜ちて降り積もる丘に
青い種を播く
孵るものが終焉を知る者としても
あゝ 冴えきる夜の果て...種を播く人
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黄金の日がゆれるころ
終焉の森は歌うのでしょう
白紙の本抱いた手で
紡いだお話を空へとはなす
当たり前の日々は音もなく
僕らを残し過ぎ去っていった
少しばかりの爪跡を君は遺せたのか
宙に浮かぶ懺悔とか
雨に濡れた幸せなんてどうでもいい
そこに沈む約束を...長旅の軌跡
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(序盤)
明るい夜には 澄みゆく唄を
真白い月から 生まれたあしたの唄
(1部)
鳥たちも息を凝らし 稜線の憂う東を見つめ
(2部)
新しい風が撫ぜる 銀の夜露には
ゆりかごの揺れる塔の窓辺 きみのぬくもりが
(主題)
さあ 迎えに行こう 雑じり気のない 光のつつむあしたを...朝想曲
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たとえばあなたが空ならば、
わたしはちいさなアリでしょう。
さらさら歌う草むらで
あなたを探しているのです。
たとえば雨が降るならば、
地面の下で泣きましょう。
わたしはその一滴に
溺れてしまうのが怖いのです。
いつか 野道の花を
言葉に変えて...雨の日のアリのうた
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繋いだその手を離さないでよと
世界の果てからまたキミを呼ぶ
消えない 消せない 衝撃に沈む
光と闇との幾何学模様
全てを引き裂く始まりの鐘に
刻んだ確かなボクらの証明
傷だらけで望んでいたのは
ひとりだけの安楽死さ
願おう不明確な明日を
別れを告げて...Never(仮)
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傾く夢に枯れた モザイクの花
地平の隅に唄う 銀の星よ
荒野で呼ぶ声は 幼き私
光横たえて 共に眠ろう
切り裂かれた断片を 探し求めて
彷徨う靴音だけ 遠くに消える
見おろす瞳をただ 仰いだ躯
小さな願い事は 溶けだしてた
静かな産土に 届かぬ両手
一滴の青に 揺蕩う素足...断片
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ふわり 不安定気分
漂う モノクロからモノクロへと
くらり 廻転している
セカイは まだなにかがタリナイ
曖昧なものはまとめて忘れたい
寝返りを打つ午前2時
真っ白な箱の中で 感覚を組み立てます
醒めない現実は Halcyon Night...穏やかな夜と不眠症の私
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ふわり 不安定気分
漂う モノクロからモノクロへと
くらり 廻転している
セカイは まだなにかがタリナイ
曖昧なものはまとめて忘れたい
寝返りを打つ午前2時
虹色の獏はまだあのむこうでまどろんでる
キレイな夢だけで満腹、なんて
寝言までもしあわせそうに
歌いますので 今日も 私、不眠症です...夢見る獏と不眠症の私
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ためいきの海 泳いでるくじら
宙返りして 青空見おろした
鎮みゆく波 やわらかいにおい
部屋のなかでは 音楽 乱反射
水びたし 水色
屋根の上 あそんで
零れだす コバルト
きみとぼく つなぐよ
漂う雲数えて 諦めただ寝ころぶ
伸ばした手に伝わる あたたかさはきみから...雨底ブルーマー
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月の砂漠に落ちる泪の声
揺れた小舟に人影はない
忘れ去られた紅い生命の詩
紡ぐ翅音を夜風は攫う
語られぬ伝承の
旅人達は境へと消えた
いつの日か呼んだ声は未だ還らず
この砂の上で光舞い上ぐ
静けさの夜に青に今染められたのならば
ひとり此処で眠る...ReBirth