タグ「恋愛」のついた投稿作品一覧(8)
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死神は少女に恋をした
彼女は美しい夜の姫君だった
夜の空色の瞳
新月の空のドレス
闇を照らすその笑顔に
死神は恋をした
その瞳はまさしく星の煌めきを宿し
その肌は照り輝く満月のように滑らかで
彼女は夜の姫君...死神の小夜曲
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夜空には、月。
頼りなげな輝きと、近づくものを全て拒み切り裂くような、鋭さ。
ああ、まるで其れは君のよう。
美しく、気高く。
厳しく、志高く。
嘘がつくのが上手だった。
本当は泣き虫で寂しがり屋。
そんな素振り、一度も見せてくれなかったね。
厳しい表情のまま、泣いて。
傷つかないで、なんて。...月虹
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痛みなど届かない この場所にいれば
たとえこの身が砕けても 貴女の感じる痛みにすれば
貴女は覚えているのでしょうか
かつて僕と貴女が交わした
幼く小さな約束を
知らなくたって構いません 僕がここで戦うことも
この手のひらにできるのは
貴女を優しく抱きしめて 貴女の頬に優しく触れる
それは決してか...たなごころ
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この僕があなたにしてあげること
一体どれだけあるのでしょう
僕のてのひらはあなたの手を包むにも小さくて
僕の身体はあなたを抱きしめるには小さすぎて
太陽のようにひかるドレスも
月のようにかがやくドレスも
星のようにぴかぴかひかるドレスもないけど
ただこの歌声をとどけましょう
僕にできる全てのこと...おとぎばなしのように
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赤い花の見る夢は血の滴る紅の夢
青い風の見る夢は遠くに有る旅路
昏い水面に広がる 苦い想いと記憶
果てない闇に涙する
君の微かな温度
胸にかき抱いても堕ちてゆく ただ虚空を見つめて
風は空が見た夢と
空はただ蒼い
高く聳える摩天楼 落ち葉はただ空を舞いて
苦い君への想いなら 何処かへ棄てる...櫻の小径
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柱のきずをひとつふたつ
私はそうっと撫でました
背伸びをしても届かない
手を伸ばしたら指さきが
微かにきずを撫でました
背伸びをしても届かない
あなたは私をおいたまま
どんどん先に行くもので
私はしくしく泣くけれど
あなたは私を知らないで...せいくらべ
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教室のまんなか
いつも楽しそうに笑う君
ほらそんなにしゃべるものだから
毎日喉がかわいたなんて言うはめになるんだから
ねえだれか彼女に飲み物をあげてください
このままじゃきっとひからびてしまいますよ
でも君はそんなこと気にしないで
ずっと笑うんですね
わかってるんです
ぼくが君のジュースを買ってあげ...120円分のしあわせ
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月は高く輝いて 手を伸ばしても
遥か遠くに届く筈のない祈り
雲に姿隠しても 傷つく事ない
僅かに降る雨が月の涙
僕の生み出す雲に 月が翳る事はない
幾ら手を伸ばしても 触れる事が出来ないように
今はまだ遠い月
久遠の時を過ぎて 何時かこの祈りが
受け止めてもらえるよう
真昼の夢の月に 風が口づけて...Diana