2
それからいろんな話をした。
私のチカラの事、行った場所の話。
本当はこの事は絶対に話してはいけない禁忌の行為。
気づいていたけど止められなかった。
ずっと哀しそうな顔をしていた彼が何時の間にか本当の笑顔を見せてくれていたから。
優しいその笑顔を見ていると私の心もあったかくなる。
気づけば二人揃って笑ってた。
だからきっと平気。
後悔なんてしないわ。
「ねぇ、ミクちゃん。ならそれって…」
レン君の居るこの時間ではもう遺跡と化した街の話をしていた時だった。
急に激しく咳込み出した彼がふらりと傾いだ。
「レン君!」
慌てて支えると大丈夫だからと首を振り、ベッドの脇にあった薬らしい物を飲み下す。
暫くそうして寄り添いあって座り込んでいると少しずつレン君の呼吸も落ち着いてきて
「…ごめん。驚かせちゃったよね。いつもこうなんだ」
「いつも?」
「うん、だからさ…僕ここからほとんど出たことないんだ」
「え…?」
「難しい病気らしくてさ。このまま放っておいたら何時まで生きていられるか、ってね」
それは一番始めに彼が浮かべていた物よりひどく哀しく諦めきったそんな笑み。
見ていられなくてまだ繋いだままだった手に力を込め俯いて唇を噛み締める。
そうでもしないと泣きそうだった。
ここに留まれる彼が羨ましいと一瞬思った。
思ってしまった。
一つの場所に居たい。
それが私の願いだったから。
けれど今はそれがひどく恥ずかしい。
不意にぎこちない手つきで抱きしめられた。
私より小さな身体で精一杯包み込んでくれてるのが分かって今度こそ涙が溢れる。
「ミクちゃん…泣かないでよ。ごめん、僕がおかしな話したから」
「ち、違うの…!ごめんなさい、ごめんなさい…私…」
言いたいことがうまく言葉に出来ず首を振ると落ち着いた声が落ちてくる。
「たぶんさ、お互い様だよ。」
「…え?」
「ミクちゃんの考えてること分かってるつもりだよ。僕もそうだから…お互いに無いものねだり。どうして人間はうまくいかないんだろう?」
遠くを見るような顔で言葉を紡いだ彼の問いに答えることもできず私はその温かい体温を感じ続けるだけだった。
コメント0
関連動画0
オススメ作品
命に嫌われている
「死にたいなんて言うなよ。
諦めないで生きろよ。」
そんな歌が正しいなんて馬鹿げてるよな。
実際自分は死んでもよくて周りが死んだら悲しくて
「それが嫌だから」っていうエゴなんです。
他人が生きてもどうでもよくて
誰かを嫌うこともファッションで
それでも「平和に生きよう」
なんて素敵...命に嫌われている。
kurogaki
If I realize this one secret feeling for you
I dont think i would be able to hide anymore
Falling in love with, just you
Tripping all around and not ...今好きになる。英語
木のひこ
空が暗くなるにつれ
僕の気持ちも
空と同じただまだくらい
そんな僕も
少しだけ空とは違う気持ち景色
ただ今進む
僕が僕に自信が持てずに
ただ歩いた
進む未来の空の色や景色形も
わからないまま...想いを乗せて
若咬
<配信リリース曲のアートワーク担当>
「Separate Orange ~約束の行方~」
楽曲URL:https://piapro.jp/t/eNwW
「Back To The Sunlight」
楽曲URL:https://piapro.jp/t/Vxc1
「雪にとける想い」
楽曲URL:http...参加作品リスト 2017年〜2021年
MVライフ
おにゅうさん&ピノキオPと聞いて。
お2人のコラボ作品「神曲」をモチーフに、勝手ながら小説書かせて頂きました。
ガチですすいません。ネタ生かせなくてすいません。
今回は3ページと、比較的コンパクトにまとめることに成功しました。
素晴らしき作品に、敬意を表して。
↓「前のバージョン」でページ送りです...【小説書いてみた】 神曲
時給310円
自分の心を殺したまま
すっかり大人になっていく
そんなに無理して生き急ぐ
僕が欲しいのは及第点
くすんだ日々を 憂う訳知らず
しゃがれる気持ち 涙は枯れ果て
鈍色に染まる 夕暮れに
死んだ内面が 甦る
いつまで経っても 越えられない壁
睨みつけながら 歳をとっていく...眠りの森の中へ
Staying
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想