タグ:時の旅
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いきなり現れた少女…ミクちゃんは時を渡る能力を持つのだと、言った。
普通なら信じられなかったはずだ。
けど僕は何もない場所から淡い光に包まれて降りてきたミクちゃんを見てしまっている。
それに彼女の話はとても興味深い。
既に滅んだはずの国、都市。
この世界には無い未来の技術。
いろんな話をしてくれた。...【小説】一夜の邂逅(であい)、未来への3
riru
ふいに意識が浮上した。
ゆっくりと目を開けると初めに見えたのは淡い光。
それに包まれ舞い降りてきたのは一人の少女…だった。
「…なっ…?」
夢でも見ているのかと慌てて起き上がるがそれでも彼女は消えない。
床に音も無く降り立つとこちらには気づいてはいないらしく窓の側に立ち
「綺麗…」
小さくつ...【小説】一夜の邂逅(であい)、未来への2
riru
幼い頃から身体の弱い僕を何かと気にかけてくれていた隣の家の住人である青い髪のその人はいつしか腕のいい医者となっていた。
そして彼は小さな医院の院長の椅子を蹴ってまで僕の主治医になったんだと聞いた。
『君には生きたいって意志が足りないんだ。…今手術しても成功する確率は限りなく低い…。だから俺は心配なん...【小説】一夜の邂逅(であい)、未来への1
riru
ある小さな街の外れ。
木陰で一時の休息を取っているときだった。
不意に空気が揺れる。
今の私にはひどく懐かしいその感覚。
次の瞬間、目の前に少女が降り立っていた。
彼女は私と同じ緑色の髪を持ち何もかもを諦めたような顔をしている。
その髪をそっと撫でながら
「あなたも『時渡り』を使える一族の人間なのね...【小説】時の旅、一夜の邂逅(であい)【終章】
riru
それから私の降り立つ先は一度の例外もなく彼の側となっていた。
出逢った彼らはみんな笑いかけてくれる。
そして私は何度も何度も淡い恋をして…何度も何度も別れを経験する。
この気の狂いそうな甘く切ない牢獄は禁忌の罪を犯した私への罰?
そうして出逢いと別れを繰り返し気づいたのは姿形が同じならいいわけじゃな...【小説】時の旅、一夜の邂逅(であい)【二章】2
riru
心触れ合った君と離れて初めての時の旅。
降り立ったのは…。
柔らかい絨毯の感触。
そしてこっちを見ていたのは、綺麗な黄色の髪を持った…。
「…っ…レン、君!」
駆け寄り手を伸ばし後数センチというところでパチンと乾いた音を立てて振り払われた。
「レン君…?」
「君…誰?」
「え…?」
聞いたことがない...【小説】時の旅、一夜の邂逅(であい)【二章】1
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「少しは落ち着いた?」
「うん…ごめんなさい。もう平気だよ」
「そっか、良かった」
微笑したレン君は不意に途方に暮れたような顔をして
「僕は正直君が羨ましいよ。長く生きなくてもいい。外へ出たい。本の中の知識じゃなく自分の目で世界が見たい。小さい頃はずっと思ってた。…何時の間にか忘れちゃってたけどね。...【小説】時の旅、一夜の邂逅(であい)3
riru
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それからいろんな話をした。
私のチカラの事、行った場所の話。
本当はこの事は絶対に話してはいけない禁忌の行為。
気づいていたけど止められなかった。
ずっと哀しそうな顔をしていた彼が何時の間にか本当の笑顔を見せてくれていたから。
優しいその笑顔を見ていると私の心もあったかくなる。
気づけば二人揃っ...【小説】時の旅、一夜の邂逅(であい)2
riru
『私達一族の能力(チカラ)…消すための唯一の方法。それはね、本当に大切だって思える人、思ってくれる人との出逢いなの。その人との引力のような引き合う心が私達を『時渡り』の呪いから解き放ってくれる。覚えていて?大丈夫よ。絶望しないで。きっとあなたも逢えるわ。私もそうだったもの』
そんな遠い記憶の中の彼女...【小説】時の旅、一夜の邂逅(であい)1
riru
私達一族が持つ
その能力(チカラ)
自分でも制御できない
『時渡り』
舞い降りた新たな時間(セカイ)
出逢ったのは
儚げな表情(カオ)を見せる
病気の少年
彼は籠の鳥 外の世界
見たことないよと哀しく微笑って...【コラボ用】時の旅、一夜の邂逅(であい)
riru