「結婚するんだ」


マスターの言葉を聞いた瞬間、私は深い谷に落ちたような感覚に襲われた

自分でもありきたりな表現だと思う

だけど、今の私の心境を表すには充分だった




私のマスターはどこにでもいるような普通の男性だった

だけど曲を作ることに関してはどこか人より秀でたところがあったらしい

マスターの作る曲は暖かくて

歌っている私だけではなく、聴いている人までも幸せな気持ちにさせた


いつしか、好きになった


だけど


叶わぬ恋だった

私とマスターは画面を隔てた内と外

叶えるどころか伝えることさえ出来ない恋だった

それに




「今度結婚するんだ、付き合ってる彼女と」


マスターには3年間付き合っている彼女がいた

私の歌を好きだと言ってくれる優しい人

私にとっても大好きで大切な人


嬉しかった

幸せになって欲しいと思った


はずだった




同じくらいの頃


歌えなくなった

マスターたちのためを思えば思うほど、声が出なくなって

代わりに涙ばかりが溢れた


すき、です

すきです、マスター


ごめんなさい

歌えないVOCALOIDなんてただのガラクタなのに

それでも歌えない

ごめんなさい

すきになってごめんなさい


大切なひとを祝福する歌が歌えない私なら

いっそー…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

【小説】ほろ苦ミルクティ【ミク→マスター】

ずっと、隣に居たかった

リア充爆発し(ry
同タイトルの歌詞投稿予定です。

【追記】
歌詞投稿しました→http://piapro.jp/content/?id=vw59csgab7yt8a00&piapro=t882gnqrc9j5l4lcpknl1o8mf6&guid=on

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投稿日:2010/05/08 13:27:24

文字数:571文字

カテゴリ:小説

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