音楽に溢れた賑やかな街の一角
レトロ調の家のポストに、黒と白の手紙が届いた。

「白いのが2通、で黒いのも2通…!
ナギ宛てに2通もくるなんて、世の中ぷっちょだね。」
「ええ、本当にそうですね。」
白コートの有り余る裾を遊ばせながら
コートと同じくらい真っ白な少女は、浮かない顔の青年にのしかかった。

それは、優しさと憎しみの違いこそあるが、行き着く先は全て同じ手紙。
…黒い死神と白い看取り屋に宛てた手紙。

あの日と同じ、激しい雨の中で死神に良く似た青年は傘を手放す。
それは目の前の少女に差し出される
わけでもなく、彼女のドレスの色を映して、
赤く塗れた地面へと転がった。

「私は貴方を死なせない。例え私自身が死のうとも。」
「俺はお前を殺す。例え俺自身が死のうとも。」

交わらない願いを示すように
二人の手には対照的な色の、しかし宛先は同じ手紙が握られていた。

それは、殺すために死ぬ青年と生かすために死ぬ少女の手紙。
…青い作曲家と赤い歌姫からの手紙。

「ねえ、○○。この世界は美しいと思う?」
「ねぇ、○○。どんな世界が美しいと思う?」
「…お願い、美しい世界(うた)を…聞かせて。」

今は亡き少女の願いと4人の運命が交差するとき、
世界を奏でる物語が始まる。


coming soon
(嘘です)



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看取り屋の歌「Fatal color」

眠るのが憂鬱なら 歌ってあげる
どこまでもいつまでも 黒い歌

この世界さえ しょせんは音の柩
キミが暗闇にさけんでも
まるで白いスコアを奏でるよう

もしこの断末魔の向こう
紅蓮の声が私ののどを 焼き尽くしても
焦げ堕ちたものに 縛られないで
形あるものも無いものも
やがては見えない輪の中で
まっさらになって戻ってくるよ

優しさに触れるのが怖いのは
失う悲しみを知っているから

むかしむかし 二つは一つ
二つで一つだったから



目覚めるのが怖いなら 話してあげる
どこまでもいつまでも 白い話

ある世界では だれもが真っ白
キミのたたずむ場所だけが
ぽつんと黒い影を落としている

でもこの白昼夢の底
群青の月がまだ見ぬ世界を 照らしだしたら
歩き行くことを ためらわないで
転んでも立ち尽くしても
最後は大きな意味の中で
それが生きてたってことになるよ

キミの手を握ると切ないのは
冷めいく温もりが懐かしいから

むかしむかし 二人は一つ
二人で一つだったから

死に逝く命を 生き留まる心を
僕らは救いとる術すら知らないけど
零れる一瞬 そうこの一瞬を見送ろう

やがてやがて 二つが混ざり
無色の波間に還るまで

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

beautiful world(シナリオ)

シナリオや設定を量産しても、本格的な物語はかけないと言う…orz

閲覧数:188

投稿日:2015/03/09 23:53:52

文字数:1,140文字

カテゴリ:小説

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