-悪魔-
退屈な授業が終わると、多くの生徒が大きなあくびをしたり、伸びをしたりして、つかの間のリラックスタイムを取る。勿論、リンやレンも例外ではなかった。
「んーっ! 今日もおわったぁ!」
うれしそうに声を上げながら伸びをして、リンは教科書やノートをスクールバッグにつめ始めた。それに続き、レンも教科書やらペンケースやらをスクールバッグにしまう。リンとレンガスクールバッグに物を入れるのでも、ずいぶんやり方が違う。バッグの中身があれに荒れているリンの場合はつめる、バッグの中身がちゃんと整っているレンの場合はしまう、となる。よくにた容姿でも、中身はまったく違うのだということがよくわかる。
「リン、帰るぞ」
「あ、うん。ミクちゃん、帰ろ」
「ちょっと待って、まだ終わってないの!」
急いで黒のペンケースをスクールバッグに押し込むと、ミクはリンのすぐ後ろに立って、
「いこっか」
といった。
こうやってミクがついてくると、レンはほぼリンと話をすることがなくなる。ずっとミクがリンを独占してしまうからだ。なので、同じく取り残されたプリマと、家は真逆の方向なのになぜか毎日ついてくるレオンと、寂しく話をしながらかえる。
しかも、ミクとリンの会話はいかにも女の子の会話で、男の子のレンとレオン、そういうことには興味のないプリマにはどうにもついていけない話題ばかりだった。
「…なんで毎回ついて来るんだよ」
「いやあ、こんなかわいい子をその辺にほうって置いたらいつどんなやからに手を出されるか…」
「お前以上の変態は多分いないから、お前がいなければ大丈夫だ。第一自分の身は自分で守れる」
この瞬間から、レオンの顔にはレンのこぶしがめり込んでいる。なれたものだ。それもそうか、毎日のことなのだから、なれないほうがおかしいのかもしれない。
「そういえばさ」
ふと、レオンが言った。
「あの臨時教師のセンセ。何だろ、あの妙な感じ?」
「あ、お前も? なんかいやな感じがするんだよな。見た感じはただの駄目先生だけど」
「あの先生は、耳にカフをつけていましたわ」
「カフ?」
聴きなれない言葉に、レンは思わず聞き返した。すると、プリマはそんなことも知らないのか、と言うようにため息をついた。
「耳につける飾りのことです。いまどき、あんなものをつけているのは…」
ああ、あのピアスのことか…(ピアスではない)。と納得して、その先を促す。
「つけているのは?」
「そうですね、特殊な業種だけです。呪術師ですとか、シャーマン、あとは…エクソシストでしょうか」
その言葉に、レンとレオンの表情が一瞬、固まった。心なしか、プリマの声も少し低くなっているように感じられた。
エクソシスト。それは、悪魔祓いの能力を得た、特殊な人間のことである。悪魔であるレンは勿論のこと、ハーフでありながらも半分は悪魔の血が流れるレオンもその『悪魔祓い』の標的に入るだろう。
「私も、エクソシストは好きません。死神を悪魔と同一視するなんて、好きになれるはずがありません」
「それ、何気に俺たちに失礼だよな」
「別にいいじゃありませんか」
つんと澄まして、レンの言葉など聞いてすらいないような態度をとる。
「…まあ、本当にそのどれかに属しているかどうかはわからないだろ。ただの趣味かもしれないし」
「そうだったらいいけどさ、本当にエクソシストだったら…」
「そうですね、そのときのための策は練っておくべきかもしれませんわ」
三人はうなずきあった。
この三人の意見がまともに一致したのは、これが最初で最後だったかもしれなかった…。
鏡の悪魔Ⅴ 3
こんばんは、リオンです。
日付変わっちゃいました。すいません。
今日はあんまりレオン君変態じゃないよ!
まともな時だってあるんだよ、すごくたまにだけどね!!(ぇ
ちなみにプリマさんはレオンのことがあまり好きではありません。
後、それを意せずともつれてくるレンもあまり好きではありません。
プ「ミク様に汚れがついたらどうするんですっ!?」
っていう子なので(笑
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