「でも僕はまだまだですよ…
マスターの方が僕より断然上手いです。」

「お世辞が過ぎだよカイト」
はは…と笑いながらマスターはギターを引き続ける。

「そういえば昔、音楽の先生がこんな事を言っていたな」

「『先生』?」

「昔通っていた音楽学校の先生だよ。その先生が言うには『人には誰にも自分だけの宝石を持っている』そうだ」

「『宝石』?」

「はは、カイトには少し難しいかな…」

ちょっと待ってて、とマスターはギターを立てかけると
何処かへ消え、しばらくすると一冊の本を持って来た。
その本の表紙には…

「『宝石図鑑』?」

「見て御覧カイト」

本を広げるとそこにはたくさんの宝石が載っていた。

青・赤・黄色・緑…色鮮やかな宝石達が
本を彩るように輝いている
僕はその姿に見入っていた。

「……綺麗。とても素敵です」

「そうだろう?こんな宝石が誰の心の中にもあるんだ。
それらは一つとして同じ物はない。
色も形も、それこそ大きさもね」

確かに図鑑の宝石は同じ色でも、淡い色、濃い色と微妙に色合いが異なっている。
同じ宝石でも同じ色は一つもない。

「……僕の中にもこんな宝石があるんでしょうか?
マスターの中にも」

「きっとそうだろうね…」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Jewel~僕だけの宝石~2

『Jewel』2です
前置きだけでかなり長くなってしまいました…
次から歌詞の部分に入ります…多分

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投稿日:2010/10/28 00:06:48

文字数:531文字

カテゴリ:小説

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