浮かんでは消えていく キミのウタ
壊れないように掬っては箱の中にそっと閉じ込めた
ウタがあの日 吐血していれば
キミのカラダがこれ以上蝕まれることを
防ぐことができただろうに
ボクは独り 幸せ色に染まって
キミの話題さえ触れようとはせず
歌うことをねだったんだ
笑顔で 答えた キミ
歌い出す それは 泡沫のウタ
憂いては嘆いていく キミのウタ
破れないように広げては引き出しにまたしまい込んだ
ウタがあの時 嗚咽していたら
キミのココロがこんなにも傷ついていたことを
気づくことができただろうに
ボクは独り 満足げな表情で
キミの言葉を飼い慣らして
歌うことを望んだんだ
俯いて 頷いた キミ
口ずさんだ それは 泡沫のウタ
ようやく気づいてしまった キミのウタ
もうその時期が迫りてきっていることを綴っている
ウタがこの場で 音を上げて
キミのヒトミに光が射していないのを
この目に焼き付けさせた
ボクは慌て 閉じ込めたウタたちを
キミのカラダに注ぎ込んで
歌わせたことを憂いたんだ
抱きよせて 崩れ去る キミ
解き放った それは 泡沫のウタ
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