「あーーえーーいーーうーーえーーおーーあーーおーー」

発声練習か?
なぜそんな突然?

私も昔やったなぁ。
高校の文化祭演劇の時だったっけ。

あめんぼ赤いなあいうえお、とかね。

「愛するマスターあいうえお!」

はぁっ!?

「可愛いマスターかきくけこ!」

いやいやいやいやおかしいおかしい!
「か」しか合ってない!
てか何で私!?

「何やってんのカイト!」
「発声練習です。」
「いやそれはわかる。」

「素敵なマスターさしすせそ!」

「だから何で今発声練習なんだよ!?」
「いやー、マスターがいつ歌を教えてくれても上手に歌えるように、と。調べた発声練習の文言を、僕なりにちょっと変えてみました♪」
ちょっとじゃねーよ、むしろ変えない方がよかったよ。

「大好きマスターたちつてと!」

「いや、意味ないから!それ、た、ですらなくて、だ、だから!」

「猫好きマスターなにぬねの!」

「何で全部にマスターって入ってるんだよ!?」

「ハッピーマスターはひふへほ!」

「話聞けよ!」

「マスターマスターまみむめも!」
なんかもう、何でもアリじゃないか…

「やっぱりマスターやいゆえよ!」
徐々に言葉のすり替えが雑になってないか?

「ララララマスターらりるれろ!」
もはやマスターを入れること以外を放棄したよな!?

「わっしょいマスターわうぃううぇを!」
もはや突っ込む気力すら…

「ん!あ、マスター、別バージョンもありますよ?」
「もういい!」


「アイラブマスターあいうえお!」
だからもういいって!

「キュートなマスターかきくけこ!」
ほとんど同じじゃないか!

「スマイルマスターさしすせそ!」
ダメだこいつ、早く何とかしないと。

「哲学マスターたちつてと!」
意味わかんねーよ!

「ニーチェとマスターなにぬねの!」
神は死んだ!?

「ハイスペックマスターはひふへほ!」
字余りじゃねーか!

「マイスイートマスターまみむめも!」
字余りすぎる!

「ユピテルマスターやいゆえよ!」
私、神にされてしまった!?

「ラブリーマスターらりるれろ!」
ダメだこいつ、もう手遅れだ…。

「わっしょいマスターわうぃううぇを!」
最後一緒じゃねーか!

「ん!」
私の方が疲れた…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

発声練習

KAITOとマスターのほのぼの短編

閲覧数:104

投稿日:2016/01/03 16:05:22

文字数:957文字

カテゴリ:小説

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