メカクシ団という団体がある。
ニジオタコミュショーヒキニートでも問題無い、なんとも訳の分からない団体である。
構成人数はおよそ十名と小さな団体である。活動内容は、『悪』。
如月伸太郎にとって、その団体は小さな幸福と思えた。
「……もし、夏が夢を見せるとするなら」
伸太郎は誰にも聞こえない呟きをして、107と書かれたドアにあるノブをひねった。
(――君を連れ去る前に、行くことが――)
彼はメカクシ団に入っていた。
似ているような、存在にも出会えた。
「……コノハ、どうした?」
「すこし、ひまなんだよ」
「そっか」
「……ぐー」
「寝るならせめてなんか言ってくれよ」
彼は笑いながら――ソファに腰掛けようと歩いた。
「――ねえ、私と遊ぼうよ」
「構わないでくれよ、俺だって――」
そこまで言いかけて、彼はその声が誰からのものか気づいた。
「……アヤノ!?」
振り返るも、彼の目の前には、ただカゲロウがユラユラと揺れるだけだった。
≪ロスタイムメモリー 3【自己解釈】≫
「ご主人のことが心配なんですよ。どうしたんですか?」
そんな悲しそうなフリをしないでくれ、と伸太郎は呟きベッドに横たわった。
所詮エネはただの“隣人”であるに過ぎない。
そんな人間でもない存在に――触れられたくない。
伸太郎はそう考えていた。
どうせ、今日もいつものペースを守っていこう。
昨日のペースを守っていよう。
そうすれば、君の温度を忘れないと思うから――
*
「どうせなら、夢を見よう。エネ」
「夢、ですか?」
「ああ、そうだ。夢なんて叶うものはひとにぎりだ。なら、ならだ」
「――その夢を見てしまおう、って?」
伸太郎はエネの言葉に頷いた。
「それじゃあ、明日も見えないままですよ?」
――それでもいい。
伸太郎は小さく呟いて、パソコンの電源を――躊躇いなく切断した。
「え……」
エネは反応することもできず、黒い画面に飲み込まれていった。
ロスタイムメモリー 3【自己解釈】
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