「大人になったら何になりたい?」
「あたしはおよめさんになるの!」

女の子は16になれば結婚できるという
でも あの子は
とても 16まで生きられないと 告げられた

娘の小さな夢さえ 叶えてやれない
無力な母で ごめんね
もっと我儘を言って困らせてよ
そして あなたの足跡をたくさん残してほしい

おめでとう
九月のよく晴れた 今日
幼い新郎新婦に
祝福の鐘の音は 高らかに
おめでとう
ピンクのバラとカスミソウ
あなたの好きな花で作った
花嫁のブーケは 高らかに


女の子は16なれば結婚できるという
でも あの子は
命の灯 他人より小さいと 告げられた

娘の旦那さまには 感謝しきれない
無力な義母で ごめんね
少し我儘を言って困らすけど
どうか
あの子が死ぬまであの子を好きでいてほしい

さようなら
二月のよく晴れた 今日
娘はほほ笑み浮かべて逝った
たくさんの愛情に包まれて
ありがとう
生まれてきてくれたこと
あなたと共に生きたこと
いつまでも忘れない ありがとう

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

14歳の花嫁

切ないけれど暖かい、そんなイメージで書きました。

閲覧数:212

投稿日:2008/05/03 18:59:52

文字数:443文字

カテゴリ:その他

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