その街にはなんでもあった
じょうるり、しばい、かぶき、すもう、まいこハン、
そしてうつやかし
でも街にはあらへん音があったんや
そのすけんどは洋の音楽の本とにらめっこし
誰も知らぬ粋な音を夢みとった
長屋にひきこもり
お箏(こと)の柱(じ)を平調子(ひらぢょうし)
からずらしては爪弾いた
そのすけんどははじめて白黒の鍵盤にふれた
そのときナニを想うたのだろう?
ある男がすけんどにおうたの紙を渡し、
その洋からきた新しいお箏をおいてった
”この歌を奏でてくれないか。
閉じ込められた彼女達のために・・・”
その街にはなんでもあった
じょうるり、しばい、かぶき、すもう、まいこハン、
そしてうつやかし
でも街にはあらへん音があったんや
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