＃１７「再戦とテト」



前回のあらすじ

ハクさんとネルさんは、仲がいいみたい

そして、ネルさんの感性は私と近い！

さらにネルさんによって、段ボールの封印から解き放たれたリンさんとレンさん





レンさんにお礼を言われて、ネルさんの顔が真っ赤になっている


「ぼ、僕は……そ、その……ふ、二人がかわいそうだなって……思って……」


歯切れの悪い言葉を話すネルさん

あ～……これは……あ～……

私はネルさんの気持ちに気づく


「そっか。優しいね」


レンさんは、それに気づく様子はなく、笑いかける

あぁ……将来、カイトさんと同じ道をたどりそう……


「あ、テトちゃん！見て見て、かっこいいでしょ！」


そういって、駆け寄ってきたのはリンさん

しかし、その格好は……甲冑に銅当て、さらに兜まで……まるで戦国時代の武士のような格好


「あ、は、はは……それはどうしたんですか？」


もう、彼女にはついていけない……


「これね～、しるるが単発で書いた【道具の姫】の私の衣装の一つなの！かっこいいよね！」


いや……うん、まぁ、かっこいいけど……なんの脈略もないのだが……


「ふふふ、これでメイコ姉にリベンジマッチを挑もうと思って！」


腰に手をあてて、自信満々のリンさん


「え……いや、やめておいた方がいいとおもいますよ？」

「どうして？」


きょとんとするリンさん……というか、私よりも彼女の方がメイコさんの怖さを知っているだろうに……


「ほら、あれを見てください」


私はのびているカイトさんを指さした


「あ！カイト兄！！」


ずっと段ボールに入っていたので、何も状況がわかっていない彼女


「そ、それにがくぽさんまで！」


あ、いや、そっちは私です




リンさんは、腕組みをして考える


「鎧程度じゃ、だめかな……やっぱり……ロードローラー？」

「いやいやいや！！そんなもの……家がなくなっちゃいます！」


なんて無茶なことを考えるんだこの子……


「むぅ……テトちゃん、さっきから文句ばっかり！ちゃんと、対抗策考えてよね！」


ええええええ！？

私もメイコさん討伐隊に入っているんですか！？


「あ、あの……おとなしくしてた方が……」

「おとなしく？…………おとなしく……おとな……しく……！！！」


あ、何か思いついたみたい

でも、いい予感は何もしない、むしろ、嫌な予感しか……



「ちょっと、待ってて！」


そう言って、リンさんは部屋を出て行った


どうか、ロードローラーだけは持ってこないでください……私はそう心から祈った