何の変哲もない日々。得に変わったこともない日常。
彼はそんな中で平凡な日々を送っていた。
そう、あの日までは・・・
彼には大事な人がいた。世界で一番大事な人。
だがその人は突然彼の前から姿を消した。
それが今年の一月。
彼らはずっと一緒だった、どちらか片方がいなくなるなんて考えもしなかったであろう
高校も同じところに行くために彼はものすごく頑張った。
だがしかし、一緒に同じ高校に行くことは叶えられなかった。
その日から彼は生きる意味をなくし、生きる希望もなくした。
彼は生きているのに死んだ人のような眼をしていた
ーどうしていなくなったんだよ・・・・
そう疑問に思うことしか彼にはできなかった、いや、そうせずにはいられなかったのであろう
そして月日が過ぎ、
今年の四月、俺は高校生になった。←ここでプロローグ終了(?)
現在俺が通っているのは「櫻ヶ丘高校:通称櫻高(さくらこう)」
ごくごく普通の私立高校だ。
今は5月の中旬。
そろそろ蒸し暑くなってくるころだった
ここで俺の自己紹介でもしておこう。
俺の名前は「冬褪 潤(ふゆさめ じゅん)」
ピカピカの高校一年生だ
そして今俺がいる場所は俺がが所属しているサークルの部室。
俺が所属しているサークルは一風変わった人たちであふれている。
まぁ・・・のちのち出て来るであろう
俺が所属しているのは文芸サークル、もとい変人サークルと言われている
まぁ部員を見ればそう言われるのも納得できるが・・・・
だが、俺はあくまでもノーマルだと思っている。少なくともほかの部員よりはマシ・・・
まぁそんなことを考えていると、ドアの前に人影が見えた。
「おー。潤くんもう来てたんだ。早いねー。」
「いえ。別に早くはないです」
「相変わらず素っ気ないなー。」
「余計なお世話です。」
なーんて会話をしながら俺はお茶を淹れに座っていた椅子から立ち上がりポットへと向かった。
この人は「西嶋 拓(にしじま たく:二年生、部長)」
このサークルの設立者である。
見た目は能天気なお気楽モノ。
しかし役に立つときもたまには。。。ある気がしないでもない。
「平和だねー」
「そーですね」
そんなどことない会話をしていた時
『ガラガラガラ!!!!』
勢いよく部室のドアが開いた。と、ほぼ同時に
「やっほーーーん♪」
といういかにも小学生って感じの声が聞こえた。
「春先輩、もう少し静かにあけてくださいじゃないとそのドア壊れちゃいますよ」
「えへへー。ごめんねー潤くん」
「やぁ、春くん。今日も元気そうだね。」
「あ、拓くんもいたんだー!やっほー☆」
「いたんだー。とはひどいねー、それじゃあまるで僕の存在感がないみたいじゃないかー。」
「あはは☆ごめーんね♪」
・・・えっと、
この人は「藤原 春香:通称春(ふじわら はる:二年生、副部長)」
声も見た目もロリで、小学生に劣らないほど童顔である。
ランドセル背負って黄帽かぶってたらもう小学生と見分けがつかない。
ただし、本人はそれを気にしているらしく
「小さい」や「幼い」というとものすごい殺気を放つので、この二つは禁句である。
「いやぁー。それにしても春くんは相変わらず背が小さいねー」
「あ・・・」
ピクリ。
春先輩の眉が動いた
「拓くん今・・・何て?(黒笑」
「え、いや、背が小s(ry・・・・・ごめんなさい!!!!!!!!」
もう遅かった
「もう・・・今日という今日は許さないんだからーっ!!!!!」
「ごめんなさいいいいいいいい」
拓先輩の全力土下座。
ちょっと面白い。
逃げる拓先輩
それを追いかける春先輩
そんないつも通りの光景をみながら俺はお茶を淹れ自分の椅子に戻ってお茶を飲んでいた
「ちょっ!春くん痛いっ、潤くん助けてー(泣)」
「自分でまいた種でしょう。自分で何とかしてください」
「そ・・・そんなぁー」
そんな感じの会話をしながら今俺は文章を書いているのだが、何か忘れている・・・・
あ、そうだ、あいつ忘れてた。
そんなことを思いながらふと時計を見たとき
『ガラガラガラ・・・』
扉が開き
「こんちゃーす」
という声とともに一人の女生徒が入ってきた。
髪はロングの黒色。少し吊り上った目のせいで気が強そうに思えるが実はそんなことはない。
どことなくお嬢様って感じのこの女生徒の名は「涼風 雪乃(すずかぜ ゆきの):同じ一年のクラスメイト.。そして俺の幼馴染」
「ねぇ潤ー」
「何?」
「今日の数学のプリント見せて」
「ヤダ」
「けちー」
「はいはい」
とかなんとか平凡な日常会話をしつつ考える。
ーこうしてると普通の学生なのにな・・・
俺たち文芸サークルの面々はそれぞれ変わっている。
俺自身、そのことに自覚したのはごく最近のこと。
それまでは普通のサークルだと思ってたのに・・・
~一か月前~
入学したての潤はまだまだ馴染めていなかった。というか、馴染もうとしていなかった。
高校生になったばかりの俺は中学の時とは違う何らかの感覚に戸惑っていたのかもしれない。
そのため、クラスメイトとはあまりしゃべらず、サークルなどの放課後活動にも所属していなかった。
彼がこの高校を選んだのも家から一番近いからというだけのものだったのでこの高校に来て成し遂げたいことなど何もなかった。
だが、このままgdgdと三年間を過ごすのは面白くないと思い、何らかのサークルに入ろうと決心したのである。
しかし、いざ部員募集の紙が貼ってあるサークル棟の掲示板を見ても面白そうなサークルがなかったのである。
ーやっぱいいや・・・・
そう思って帰ろうとしたとき、ふと目についたサークルがあった
【文芸サークル】
彼はどちらかというと運動が得意ではなかったのでちょうどいいと思い、少し覗いてみることにした。
しかしドアを開けようとしたがどうやら鍵がかかっているようで開かない。
ーもしかして、もう廃部になってたとか。。。?
そんなことを考えて部室を後にしようとしたその時
不意に後ろから声が聞こえてきた
「ねぇ君、ここのサークルに何か用?」
「あ、はい。少し気になったので」
「名前は?何年生?」
「名前は、冬褪潤、学年は1年です」
「ふーん。そっか、まぁ入ってよ。」
ガチャリ
鍵の開く音がした
「どうぞ。」
「失礼します」
ーこのサークルの人なのかな・・?
彼が考えていることが分かったらしいその先輩は自己紹介してくれた
「僕の名前は、西嶋拓。このサークルの設立者だよ」
「そーなんですか」
「まぁ簡単にこのサークルの趣旨を説明すると、日々つまらないくgdgdして過ごしてやんよの生活を少しでも改善してやろーじゃねーかって感じかな。」
「は・・・はぁ。」
ー意味が分からない説明、変な人だな
潤の中で拓は変人として認識された。
こんな変な目的で設立されたサークルでいいのだろうか・・・
いやダメだろう断じて。
「まぁそんなわけだからよろしくね、潤くん。」
拓先輩というらしい人が右手をさし出してきた
「こちらこそよろしくお願いします。」
こちらも左手をだし、握手した。
この時の俺はまだ拓先輩のすごさに気付かづ、変な人だとしか思っていなかった
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