ふと、誰か聞き覚えのない声で目を覚ました。
いつも寝起きの悪いメイコは、明らかに不機嫌な顔をして頭を引っかきながら、上半身を起こした。そうして、やる気のなさげなどこかぬけた声で、自分を起こした声へ、問いかけた。
「人違いじゃないですか」
ただしくは、問いではないのだが、メイコとしてはこれを問いといわず、なんと言う?と言った心構えだった。
すると相手は男それも、複数なのか何名かの低くそして不快な声で少しだけ笑ったのが聞こえた。メイコの言葉に、内一人が答えた。
「いやいや、お姉さん。人違いじゃないっすよ」
「…。私、彼方たちみたいな知り合いはいませんけど」
「じゃあ、これからお知り合いになっちゃいます?ハハハ…」
その声はどんどんとメイコの怒りを増幅させていく、つまりは生理的に受け付けないというところだろうか。イライラの根源は主に二つだった。人が気持ちよく眠っているときに起こされたということと、この男たちの口調と笑い声だった。
「それじゃあ、何のようですか」
「ちょっと、俺らと遊びませんかー?」
「は?」
訝しげに男たちを見上げたメイコは、図らずとも上目遣いの目線となり、それがまた、男たちを興奮させた。つまり、これはナンパだ。それも随分タチの悪い輩であることは一目瞭然だった。
いきなり男たちに囲まれ、前後左右全てが一度に暗くなった。
「何ですか。…!!」
途端、メイコは首筋に激痛を感じ、その場に倒れこんだ。
「大変じゃないですか…!」
その一部始終を目撃したキカイトはしばらく驚いて動けなかったが、普通に考えればその行動は素早かった。
兎に角、皆へ伝えなければ。
そうキカイトが思い立ったとき、すでに男たちはおらず、メイコもいなくなっていた。すると車のほうから帯人が走ってきて、
「…おい、さっきメイコがガラの悪そうな男たちに連れて行かれるようなのをみたけど…、メイコは…?」
「それが…。多分その柄の悪そうな男に連れ去られたのだと思います」
「…どうする。とりあえず他のやつらに伝えて、探すか」
「それがよいのでしょうね。帯人はチビ達を、僕は皆を呼んできます」
「…まて、俺に心当たりがある。この砂浜をずっと向こうに行ったところに、中が開けた洞穴があるんだ。そこが怪しいだろう」
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