次の日、二人が学校へやってきて教室に入ると、ミクがすばやくリンの席に近寄ってきた。
「あ、おはよ、ミクちゃん」
「うん、おはよう。ね、リンちゃん、手、出して」
「え? えっと、こう?」
いわれたとおりにリンが手を出してやると、ミクが制服のポケットから紐のようなものを取り出した。
「何、それ?」
「知らないの? ミサンガだよ。腕とか足首につけて、願いをかけるでしょ。その願いをかけたミサンガが切れたとき、願いがかなうの」
「へえ」
「じゃあ、願い事してよ、結ぶから」
「え、ちょっとまって、いきなり言われてもお願いなんて…」
「ほら、早く!」
「え、あ、ちょっと待ってよ!」
とか何とかいいながら目を閉じて願い事をし始める。
(えっと、えっと、願い事、願い事…!)
必死に願い事を絞り出そうとするが、願いなんて出そうとして出すものではないので、そうすぐには出てこない。そうしている間にも、ミクはミサンガを結び始めている。
(願い事、願い事―!! ええい、なんでもいい!)
半ば投げやりにリンは心の中でつぶやいた。
(ミクちゃんとプリマちゃんと、ついでにレンとずっと一緒にいられますように!)
そう唱え終わったとき、ちょうどミクがミサンガを結び終わったところで、ミサンガは固結びの上に固結びがしてあって、ちょっとやそっとでは解けないだろう。
「願い事、出来た?」
「う、うん…」
あんなテキトーな願い事をしたなんていえない…。特に、レンには絶対に知られないようにしなければ。リンはそう固く心に誓ったのだった…。
「それでは、今日の数学はここまでです。課題をしっかりやってきてくださいね」
そういって、氷山はその日最後の授業を終わらせた。
「えぇ…と、鏡音さんと鏡音くんは放課後、学年準備室に来てください」
まず、レンはリンと顔を見合わせ、それからプリマとレオンのほうに目をやって、こくりとうなずきあった。
学年準備室に二人がやってくると、すでに氷山はパイプ椅子に座っていて、二人に気がつくとひとつの机をはさんで向かい側にあるパイプ椅子に座るよう、促した。リンもレンも、素直に応じて椅子に座った。
「えぇと…」
どう切り出そうか困っているらしい。
じれったいというように、リンがはじめにいった。
「それで、何なんですか? 本題からでいいです、話してください」
「そ、そうだね。実は鏡音君に頼みたいことがあるんだ。勿論、鏡音君は使い魔だからね、主人との相談も必要だろうと思って二人で呼んだんだけど…」
「だから、何なんですか!」
「リン」
いらだち始めたリンをなだめ、レンはその先を目で促す。
「それで…」
氷山は静かに話し始めた…。
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