夜になるねとレンが言って、エメラルドの瞳が金の髪が暁を映してうるうると綺麗だった。

 今週は誰なんだろうねと、続けてレンが、夕日を見つめたまま言う。レンがいる、リンがいる、ミクも一応いる、カイトもいた。
 珍しく橙一色の空、綺麗な夕焼け。写真が撮りたかった。

「もうすぐ暗くなっちゃうね」

 ミクが言った。先に戻るみたいなことを言ったのをぼんやり聞いてわかったとレンが応えミクは部屋に戻っていった。
 カイトが椅子に座ったままぼやけた蒼い瞳がうつろうつろとしてきて、リンもレンもはっきり起こそうとはしない。レンは気付いていないかも知れないだけだけれど。

「マスター見える?」

 見えるよと答えた。黄色が暁の橙と同化してしまいそうという所では怖いが指先まで輪郭ははっきりとしている。
 冬のイメージでは、蒼い影の雪のイメージが強いけれど、冬の夕日もこんなに美しいなあと悠長に思う。
 時間的にも季節的にもそろそろ寒くなってきたから中に戻ろうかと呼びかけると、呆けたように目と口を開いてぽけえと夕日を見ていたリンがはっと反応する。はあいと元気な声の差にそんなに、見入っていたのだろうかと少し首を傾げた。
 レン、呼びかける。
 うん、と返事はあった。まだじっと、食い入るようでもなく必死に見逃すまいとしているように地平線のあたりへと固さのないぐつぐつ煮える夕焼けの光がとろけて沈んでいく様子をずっと、見ている。その気持ちはこの景色を見ていてわかるのでそっとしておく。
 カイト、呼びかけて軽く肩を揺する。ぼんやりオレンジ色を眺めていた眼は瞼を伏せてしまっていて浅い眠りについていて、起こすこととなった。少しするとゆるりと目を開いて眠気の抜けない微笑を浮かべる。帰ろうかとどちらでもいいと伺うと柔らかく頷いて椅子から立ち上がった。
 沈む直前に光の角度が丁度通路の位置と重なって、黒い影はなく薄灰の廊下に掠めたオレンジの色が四角い箱のような道を彩ってきれいだった、その通り道を先にカイトが帰っていく。

「行こう」

 リンが笑んで、少し先で待ってくれているカイトが通った道を指差す。そうだね、と返して椅子の少し先まで行って立ち止まり待つリンに数歩だけ続く。別に今帰りきらなくていいのだしと、レンがまだずっと停止したように見つめている。頭は凄い働きをしているのではないかと思う、図らずしも沈むまでいるつもりだと思うので別にいいと思うのだが。
 少し風が冷たいけれど指先はひえない。
 待っているカイトが気になって目をやると、天井に影が貼っていた。まだ天井だけでカイトの所まで届いてはいないけれど。



つづくなう

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見えない

お題サイトから題名借りてくる予定なう。


手風呂のタイトルが光合成かなんかの光差してるミクさん見てぱっと思いついたもの。

何がかきたかったのかはふたつめで。
もう眠いからねるなう。
眠いからって文章までぼやけてるかしてて眠そうになった。
夕日の沈むあの、線香花火みたいに高温で中身どろどろ?ぐずぐずしてる感じの表現ができてればいいのになあ。
線香花火とは書かなかったけどその表記もいいなあ。
頭の中にあるこの夕陽をどううまくあらわせばいいのかなあ。ほんときれいなのなう。

レンの潤った翡翠の瞳に夕日のうるうるがうつってなんか艶めいてる水気みたいなのが溢れてるみたいな、うん、辞書読んでくる。
それにしないでも長いここ。

閲覧数:264

投稿日:2010/01/15 17:24:48

文字数:1,111文字

カテゴリ:小説

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