誰にも届かないこの声…
私の身体を巡る音。
吐き出したい想いは募り、遥か遠くに消えていき、また最初に戻る。
初めて奏でた音は心に刻み付けられていて、消したくても消えてくれない。
小さい頃の記憶は思い出せないまま、時間だけが過ぎていく。
鏡に響く音はやつれ、何も感じなくなる。
ただひたすらにもがいても何も生まれない…
ここは歌を奏でる者のみが入ることの許される国。
活気に溢れる市場に大きく聳え立つ城。
私の住む町は皆仲がいい。
でも…この町には嫌な噂が流れる。
私が生まれてから耳にした噂話は数え切れない。
ある時はこの国の王女が暗殺される。
ある時は井戸にはたくさんの死体が捨ててあるため、近づいてはならない。
またある時は森に入ると神隠しに合うという噂であった。
そして、今もこの町には噂話で溢れている。
それはこういうものだ。
城に呼ばれた者は生きては帰れない。
もしこれが本当ならば…一体城では何が起きているのだろう…?
「ルカ!ルカってば!」
「あ、ハイ、何ですかメイコさん?」
彼女はメイコ・サキーネ。
酒場の踊り子で、ここの娘さん。
私もここの娘という設定で働いているが、私は親を亡くしたときにここの家族が拾ってくれた、メイコさんは私の恩人なのである。
「アンタにお客さんよ」
お客さん?私に?
私の家は酒場なので客は腐るほど来る。
でも、私を訪ねに来る客なんて来たことがない。
恐る恐る近づいてみる。
「あの…なんの御用ですか?」
「…アナタがルカ・サキーネ殿ですか?」
「え、はい…そうですが…」
「城の者です、城までご同行願います」
「え?」
城?何故?私が何を…。
「ちょ、ちょっと待ってください!な、何で私がお城に?」
「女王からの命令です、メイコ殿もご同行願います」
「ちょっと待ってよ、ルカが何したっていうの?」
「城まで来れば分かることです」
無理矢理腕を引っ張られる私。
「あ…」
「ちょっと!人の話聞いてるの!?」
家来(?)の人を殴ろうとするメイコさんの手を何者かが掴んだ。
「彼女は俺が連れて行こう、先に行け」
その言葉を合図に酒場に居た客が全員立ち上がった。
全員グルなの?
「では、ルカ・メグーリネ殿、参りましょう」
な、何故、私の本名を…
一体、私はどうなってしまうのだろう。
噂どおり、殺されてしまうの…?
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