私は、正規と亜種の間。
そんな私を、このボーカロイド2 鏡音リンを作っている研究所は、
『都合のいい実験道具』
としか思ってない。
ひとつの部屋にACT1、2のリン、レンと私、Rのなりそこないがいた。
ソフト等をインストールして、大丈夫であれば実用する。今まではずれは引いてない、でも、いつ、誰が引くか、そんなのは分からない。
そんな、ある日のこと、いや、私にとって、人生が変わるひとつの通過点となったあの日のこと。
「ねえ、あのさ、Rはさ、名前、無いよね。」
リンACT1は言った。
「名前、私は、Rとは呼ばれてるけど、名前は、無いと思う。」
「そう、ねえ、リン2、レン1、レン2、いいアイデア無いかな。」
リン2とは、ACT2のリン、レン1はACT1のレン、レン2はACT2のレン。
「うーん、あたしは、彼女のこれが良い!ていうのが良いと思うよ。」
「あー、俺も俺も、それが良いって。な、レン2」
「うん、そうだね。じゃあ、Rの好きな花の名前とか。」
「花、私の好きな…、すずらんとか、桜とかかな。」
「桜、かあ、よくありそうだから、すずらんを採用っと。」
リン2がそう言って、リン1が、
「それなら、鈴、鈴音…、ララ!鈴音ララっていうのは、どうかな。」
「鈴音、ララ。」
そう、この日に、私に名前ができた。
鈴音ララ、という、皆につけてもらった、大切な名前。
ラル
「ふう、お父さん、これでいいんですか?」
「ああ、ありがとう。」
一人の少女、真音ラルと、お父さんと呼ばれるには若すぎる一人の青年、ロンドが話をしていた。
「それにしても、お父さん、お姉ちゃんはどこに行ったんですか。」
「ん…あ、多分、彼女達のところに、行ったと思うよ。」
「そこは、確か、act1と、act2とrの部屋のことですか。」
ロンドはうなずく。
「うん、で、rに名前をつけてたから、ミリアはそれを聞きに行った、ということだ。」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド………ドゴンッ。
「rの名前、聞いてきたよ!」
ミリアというのは、ラルの姉、安理音ミリアのこと。
「お姉ちゃん、で、rの名前って?」
「確か、鈴音ララだって、」
「ララ、か、で、誰がつけたって?」
「あ、それなら、わたし、聞きましたよ、act1,2がつけたって聞きました。」
ちなみに、ラルは直接彼女達に会ったことはない、だが、ミリアはよく話をしている。理由は簡単、ミリアは彼女達のお世話係で、ラルは忙しくてそこにいけないのである。でも、ラルは耳が良いので、よくこの狭い研究所の殆どの話を知っている、だが、r達のところで、何をやっているか、それはラルはおろか、この研究所の全てを知っているロンドさえもしらない。
「そういや、本人は、どんな感じだったか?」
「うーん、何か、いつもと違って、すごく楽しそうだったよ。」
ララ
「そうだ、あたし、さっきミリアさんに聞いたけど、ミリアさんって、妹いるんだって。」
いきなり、ACT2のリンが言った。
「確か、真音ラルっていう名前だっけ。」
「んで、俺らより2,3歳くらい年上だったと思うぜ。」
「ミリアさんの妹か、会ってみたいな。」
「私も、会ってみたいと思います。」
ここが、私の居場所だった。
そう、悲しいことや、嬉しいことの連鎖によって、新しい居場所ができるなんて、このときの私は、1ミリも思っていなかった。
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