外観は、ベージュでおおわれた壁。窓は丸くて、外枠は水色だった。ドアは木製で、しっかりしたブラウン色に染まっていた。そんなフールスーパーの前に立って、しばらく眺める私とカイト。
「・・・変わりましたね、ここ」
「そうかな? 私は1回も来たことなかったよ?」
「そうですね。・・・まぁ、変わることは悪いことではないですけど」
「じゃあ、中に入ろっか」
そう言って、ドアを開ける。・・・見た目の割には軽くて、音も立てずにただ空気だけが動く感覚がした。
「いらっしゃいませー!」
2つ結びをした可愛い女の子が、エプロン姿でとたたっと走ってきた。
「あれ? ルコちゃん??」
思わずそう言うと、女の子はとっても可愛らしくにこっとさらに笑顔になった。
「良かった、マスターさんはちゃんと覚えててくれてたんですね! 最近、テトってば私のこと忘れて・・・正直、ショックなんですよ」
やれやれ、というようにため息をつくルコちゃん。
「よくねるこ・・・。これがうわさのルコちゃんですか」
「カイトまで覚えててくれるなんて・・・! ほんと、お2人はとっても良い人なのね!」
にこにこ嬉しそうに言うルコちゃん。
「それで、オーダーサービス利用しに来たんだけど・・・はいこれ」
私は券をルコちゃんに渡す。
「かしこまりました! それで、希望内容についてお伺いしますけど、何にします?」
「みかんアイスっていうアイスを商品化してほしいな」
「ほう、みかんアイスですか! なんだかおいしそうですね」
にっこりそう言って、ルコちゃんは、
「では、ほんのしばらくお待ち下さいね!」
とたたっと、店の奥に走っていった。
「どんなのが来るんだろ?」
「楽しみですね」
などと話していると、帰ってきた。
「お待ちど! みかんアイス2人分、こちらの袋に入ってますので!」
ビニール袋を受け取った私は、
「ありがと、ルコちゃん。・・・早かったね!」
「早くお客さんにお届けする! それがフルーツスーパーの大原則なんですよ!!」
そうやってばしっと言うルコちゃんは、とってもかっこよかった。やっぱり仕事って、これぐらい情熱があるべきだ。そう思いながらフルーツスーパーを出て、私とカイトは家に向かって歩いたのだった。
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