増えたピアスをなぞる
冷たい芯に熱灯るまで
何が欲しいかも分からないまま
彷徨って飛んで集(たか)れる

恋とか愛なんて
都合よく使い別(わ)け
「ただいま」幸せそうな
あどけない顔を見た

案外簡単な話で
寂しいと寂しいで
穴を塞ぎ合いたくて
満ちて満ち足りて
月みたいにまた欠けた
幻にまた寄った

ふかした煙嫌う
「外で吸ってよ」鵜呑みにして
フラフラ猫みたい気まぐれに
空のまんまの心抱かれる

病んでも笑って
下がいると癒され
預けたスペアキー
似合わないマスコットを見た

詰まらない中身ない
話に相槌も打たずに
「それでいい」
そんな視え透いた嘘で
自分護って似てるね僕ら

だからやっぱ

「これでバイバイだね」

案外簡単な話で
寂しいと寂しいで
穴を塞ぎ愛たくて
満ちて満ち足りて
月みたいにまた欠けた
幻にまた寄った

まだ夢にあの部屋が
蹲る君が出るうちは
そのスペアキーは
本物なのだろう