真っ赤な月が浮かんでいる。
それは、目の前に君がいるから。
赤い髪が風にあおられ、 まるで、月に溶けていくよう。

(どう、したの?)

君の口が、確かにそう動いた。
でも、声は聞こえない。
真っ赤な月の夜にしか逢えないのに。

君が笑う。
その不敵な笑みは僕の心臓をわしづかみする。
僕の心をつかんで離さない。

「君に……――」

真っ赤な翼がひらいて、君が空に浮いた。
僕の唇に君が人差し指をそっとあてると、空に浮き上がった。
真っ赤な羽がふわりとおちてきた。

(次は新月の夜に)

真っ赤な羽だけを残して、君は月に溶けた。
赤かった月がいつの間にか元の色に戻っていた。

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夢魔と逢い引き

タイトルはこちらよりお題をお借りしました。
サイトさま:h a k u s e i
http://hakusei.3.tool.ms/

MEIKOイメージで書いてみました。
外部サイトにも載せてます。作者は同一人物です。
http://29.xmbs.jp/len02-14897-n2.php?guid=on&no=137302&view=1&page=8

閲覧数:209

投稿日:2011/04/09 18:59:18

文字数:290文字

カテゴリ:小説

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