101回目のプロポーズ
君は横にしかふらなかった首を縦に振った
あまりにも感極まって泣き出す僕に
君は困ったように笑った
新居は田舎の一軒家。
豪華とは言えなかったけど、幸せな日々。
けれど2人きりの生活は長くはなかった。
お腹に手を当て彼女は言った
僕はその場で泣きだし
彼女はそんな僕を見て笑った
ある日流れてきた噂話
「どうやら奇病が流行っているらしい」
リンゴを売る商人が言った
岐路を急ぐ僕に商人の言葉がよみがえる
「身体が石みたいになっちまうらしい」
比喩でも、親の欲目でもなく
世界で一番かわいい子が生まれた。
彼女と僕の名と一字ずつとったその子に、僕は誓った。
「君を彼女と絶対に幸せにする」
小さな手が僕の指を握る
幼い子供が数を数えられたとき、突然現れた訪問者。
「貴方の身体が薬になることがわかりました」
そういって彼女に突き出されたのは
たった1枚の紙
内容は簡単で
いつか聞いた奇病の治療薬が彼女の全身を巡る血だった
その時には遠い噂話も身近なものになり
友達が石化していた
彼女に与えられたのはわずか三日
その間に多くの人が彼女のもとを訪れ
感謝の言葉を述べた
「ありがとう、あなたのおかげで私(彼)(彼女)(だれか)の命が救われます」
そういってさる人々は分かっているはずだった
多くの人の命が救われる代わりに彼女の命が失われることを
人は大切なもののためならどんなに残酷になり
人は愛しいもののためにならどんなことでもしてしまうのか
人は自分のためなら他人を殺すこともいとわないのか
泣いて逃げようという俺に、彼女は笑った
気が付くと彼女の姿はなかった
テーブルの上に置かれた手紙
何度も書き直したような跡。
ところどころ文字がにじんでいた
無力な僕は床に膝をついて泣くことしかできなくて
笑った顔しか知らない彼女が泣いてもその涙をふくこともできなかった。
頭をなでる小さい手。
顔を上げると重なったのは彼女の顏。
抱きしめたぬくもりはあまりにも小さくて涙が止まらなかった。
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