変わり者、変人、そんなクラスメイトの質問はいつも的外れで、そして俺には理解が難しすぎた。
「小説はね、猫の箱なの。シュレティンガーの猫」
「小説は登場人物も描写もあるだろ?」
「なに言ってるの?小説は漫画じゃないんだよ?同じ口調の悪者が主人公の振りをしているかも知れないの」
「それは批判か?」
「夢を持っているだけでしょう?小説は猫の箱よりも解明出来ないんだよ。ロマンだと思わない?だって、作者の脳みそは箱みたいにあけたら壊れちゃうじゃない」
彼女は正常に狂っていた、正常に歪んでいた。正常に彼女は彼女の普通だけを信じている。
「でも、あけたらそれはきっと意味がないんだよ。それは概念の否定。作者が泣いてしまうからね」
「おまえみたいな純粋な読者がいないからか?」
違う違う!彼女は手を振って答えた。
「小説家は仕事なんだよ?私みたいなのの戯言を本気にしたら可哀相じゃない」
結果、何が言いたいかわからないまま彼女は教室から出て行った。彼女の世界にはやっぱり彼女しかいないらしい。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • オリジナルライセンス

感覚基準

歪んだ娘とクラスメイト。彼女は一般的におかしな一般人でクラスメイトはただの勉強が出来ない人。
二つは交わらない。だから歌は、歌詞はメロディはきっと二ついる。彼の世界の彼女、彼女の世界の中身。きっと歪みも全部それは声にならない何か。
声に出せない音が欲しい彼女と言葉でわかりあいたい彼の話し。

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投稿日:2011/06/25 06:27:02

文字数:441文字

カテゴリ:小説

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