-悲劇-
「レン、バスケしよー!!」
「おっけー!ボール出してくる!」
 そういうと、レンはネットに入ったままのキレイなバスケットボールを持ち出してきた。それに気をよくし、リンがドリブルを始めた。…室内で。
「リン!家の中でボールをドンドンしないで!危ないでしょ!」
 そんなメイコの忠告に、ドリブルをしていたリンの手がふととまった。勿論、ボールはあらぬ方向へと飛んでしまう。その方向とは、CDコンポの方。
 CDコンポはボールに当たっておかしな機械音を出し、台の上をぐらぐらと揺れたかと思うと、そのまま後ろへと落ちてしまった。
 台の後ろは壁ではなく、ソファとなっていて、そのソファには仕事で疲れたカイトが、寝ていた。CDコンポは重力に任せてカイトの顔面へと落ちた。
「ふぎゃっ!」
 奇声を上げたカイトに、やっとメイコも気づいたらしく、ソファに駆け寄ると、顔がドンドン青ざめていった。
「きゃ…あぁ…」
 悲鳴にもならない声で、メイコは声を上げた。
 その声に、ミクが二階から下りてきて大体を把握すると、メイコたちに指示を出して自分は修理会社へ電話をする。実際、こういう異常事態が起きたとき、一番頼りになるのはメイコではなくミクだったのするのだ。
 兎に角、専用の車が来るのを待つしかない。
 その間にCDコンポをどけておかなくてはならない。
 修理会社はそう遠くないので、すぐにつくだろう。CDコンポをどかして、カイトに声をかけてみるが、カイトから反応らしき反応はない。
 いつもは青いキレイな瞳が、0やら1やらの数字の羅列が読み取れるだけだった。
 そのとき、ピーンポーン。と、チャイムが鳴った。ミクが走って対応する。
 カイトを受け渡し、心配そうな全員を尻目に、修理業者はカイトを持っていってしまった。それから、またしばらく時が流れる。

―三日後―
「ピーンポーン。修理業者のものですが、お宅のVOCALOID、零号機KAITO初期型を修理しましたので、お届けに参りましたぁ」
 そんなかったるそうな声に過剰に反応し、メイコが飛び出る。
「直ったんですかっ!?」
「ええ。ちゃんと直っているか、確認してください」
 そういって業者がまだ起動していないカイトを積荷から下ろし、起動させるためのパスワードを入力する。ピピッと機械音の後、カイトが目を覚ました。
「カイト、わかる?カイト」
「めーちゃ…?」
「よかった!わかるのね!?」
「…う…ん」
 抱きついたメイコに、カイトが少し反応をした。起動しはじめで、少し反応が遅いが、すぐに反応も素早くなっていった。
「めーちゃん!」
「どうしたの?」
「あのね、あのね、俺ね、五日もアイス食べてないの。だから、アイス五つ食べていい?」
 嬉しそうにいうカイトにメイコの中の何かが壊れた。業者のほうを向くと、メイコは迷いもためらいもなく、いった。
「処分していいです。」
「なんでッ!?」
「なんでもかんでもない!!いって来い!!」
 その後、十日間、カイトは家の中に入れてもらえなかったという。勿論、アイスもなければ、食べ物もなく、カイトの十日間分の食料はその辺に生えていた、雑草だったとか。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ふんわりほのぼの。?

こんばんは、リオンです。
朝、かさぶたをとって学校にいったら、血がたれてきていました。しかも友達にいわれるまで気がつかなかったって言う…。どうしよ、自分。
要約。
『優先順位メイコ<アイス。力関係メイコ<<<越えてはいけない何か<カイト』
だと思います。
きっとカイトに悪気はないんだよ!!
と、言うことで、また明日。

閲覧数:317

投稿日:2009/09/09 21:10:27

文字数:1,324文字

カテゴリ:小説

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  • リオン

    リオン

    ご意見・ご感想

    こんばんは、夕花 みずさん。
    い、イカれてないですよ!!
    だから、題名に「?」ってついているじゃあないですか。

    血がたらーっと来たのを指についたやつは取り合えずなめてます。血はうまいです。
    あ、すいません、こっちの話です。なんでもないです。
    もうカイトはこの世にいないから、きっととしか言いようが…。
    ま、気にしないでいください。バカイトのことですし。

    あ、みずたまりさんですか。知らん人が来た!とおもったんですが(汗)
    今回、ガラッと設定を変えてみたので、ボカロってことになってます。前になんかの動画でカイトが壊れたやつ見たなー…。それから影響しているかもしれません…。
    そ、それは、お時間をとらせてしまって!私もそろそろ退散します。また明日!

    2009/09/09 22:05:32

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