私が転入する学校は元男子校だったらしい。
…そんな大事な事聞いてない
そう思いながら校長室の前まで来る。
いや、案内されていた。
「…もしかして緊張されてます?」
心配そうな顔をしながら尋ねてくるのは弱音ハクと名乗った先生だ。
「あ…いえ。大丈夫ですよ」
ニコッとハクに笑いかける。
ハクは安心したのか笑顔を見せ、扉をノックする。
「弱音です」
「どうぞ、お入り下さい」
部屋の中からは優しい声が聞こえる。
「失礼致します」
ハクがゆっくりと入る。
「…失礼します」
ハクに続いて入る。
「初めまして。私が校長の神威です」
「き…今日からこの学校に通う、福井ナナです」
ナナは思わず魅入ってしまった。
校長があまりにも美形すぎて。
「弱音先生、福井さんを教室に案内してあげて下さい」
「はい。それじゃあ…教室に行きましょうか」
ハクは微笑むと校長室を出る。
ナナも後をついて行く。
「2ーAが福井さんのクラスになります」
「えっと担任の先生は…?」
ナナは遠慮がちに尋ねる。
「俺だ」
後ろを向くと、背の高い茶髪の男の人が立っていた。
「メイト先生ですよ」
「…初めまして、宜しくお願いします」
ナナはお辞儀をする。
「おう、宜しくな福井」
「!?」
メイトはニカッと笑うとナナの頭をワシャワシャと撫でる。
「それでは私はここで失礼しますね」
「あ…有難うございました」
ハクは微笑むと職員室の方角へと歩き出す。
「よし、入るから」
「はい」
メイトが勢い良く扉を開ける。
「さっさと席に座れ」
メイトが言うと同時に席に座る。
「センセ、隣の子誰?」
最初に口を開いたのは緑色の髪の毛の男子生徒だ。
「めっちゃカワイイじゃん」
次に口を開いたのは右隣に座るピンク色の髪の毛の男子生徒だ。
「えと…今日からこの学校に通う事になりました、福井ナナです。よ…宜しくお願いします」
お辞儀をすると質問攻めが開始された。
「彼氏いんの?」
「好きなタイプはッ?」
「趣味とか知りたいなー」
「今日、放課後俺と遊ばね?」
「てか彼女にならね?」
…質問じゃないのも混ざってたみたいだが。
「えっとー…」
ナナは困り、メイトに助けを求める。
「…はぁ。うっせーぞガキ共!学級委員長」
「はい?」
「福井が慣れるまで世話してやってくれ」
「は…?…分かりました」
メイトは騒がしい中黙っていた生徒に話しかける。
「福井の席はアイツの隣だ」
「はーい…」
ナナは素早く席に座ると隣に座る黄色の髪の毛を後ろで一つに束ねている男子生徒に話しかける。
「よ…よろしくね!えーと…」
「鏡音レン」
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顔が赤いのをバレないように。
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